松本市議会 > 2020-06-17 >
06月17日-04号

  • "救急医療"(/)
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  1. 松本市議会 2020-06-17
    06月17日-04号


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    最終取得日: 2021-05-04
    令和 2年  6月 定例会---------------------------------------          令和2年松本市議会6月定例会会議録                 第4号---------------------------------------             令和2年6月17日 (水曜日)---------------------------------------               議事日程(第4号)                      令和2年6月17日 午前10時開議 第1 市政一般に対する質問 第2 議案に対する質疑(議案第1号から第18号まで)     ------------------------------出席議員(31名)      1番  牛丸仁志          2番  横内裕治      3番  上條一正          5番  内田麻美      6番  塩原孝子          7番  古沢明子      8番  神津ゆかり         9番  土屋眞一     10番  上條敦重         11番  吉村幸代     12番  勝野智行         13番  青木 崇     14番  若林真一         15番  今井ゆうすけ     16番  川久保文良        17番  上條美智子     18番  村上幸雄         19番  上條 温     20番  田口輝子         21番  中島昌子     22番  小林あや         23番  阿部功祐     24番  上條俊道         25番  澤田佐久子     26番  犬飼信雄         27番  犬飼明美     28番  柿澤 潔         29番  芝山 稔     30番  太田更三         31番  近藤晴彦     32番  池田国昭     ------------------------------説明のため出席した者  市長        臥雲義尚   副市長       嵯峨宏一  総務部長      伊佐治裕子  政策部長      中野嘉勝  財政部長      高野一司   危機管理部長    板倉 章  環境部長      久保田忠良  こども部長     青木直美  農林部長      林 浩史   商工観光部長    小原直樹  建設部長      上條裕久   病院事業管理者   北野喜良  事務部長      倉科勝美   教育長       赤羽郁夫  教育部長      横内俊哉   行政管理課長    小西敏章  総合戦略課長    近藤 潔   財政課長      小口 眞  行政管理課課長補佐法制担当係長            伊東伸次     ------------------------------事務局職員出席者  事務局長      平林 泉   事務局次長     河村知佳  次長補佐兼議会担当係長      主査        中田雅基            住吉真治  主任        上條裕子   主事        小林あゆみ     ------------------------------               本日の会議に付した事件 議事日程(第4号)記載事件のとおり     ------------------------------                                午前10時開議 ○議長(村上幸雄) おはようございます。 現在までの出席議員は31名でありますので、定足数を超えております。よって、直ちに本日の会議を開きます。 本日の議事は、日程第4号をもって進めます。 なお、新型コロナウイルス感染症対策のため、随時、席の入替えを行いますので、ご承知願います。 席替えのため暫時休憩いたします。                              午前10時1分休憩                             ----------                              午前10時1分再開 ○議長(村上幸雄) 休憩前に引き続き会議を開きます。     ------------------------------ △日程第1 市政一般に対する質問 ○議長(村上幸雄) 日程第1 昨日に引き続き、市政一般に対する質問を行います。 順次発言を許します。 最初に、22番 小林あや議員の質問を行います。小林議員は質問者待機席へ移動してください。 22番 小林あや議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 小林あやです。 発言の機会をいただきましたので、会派誠の会を代表し、犬飼信雄議員とともに一括形式にて質問させていただきます。時間の関係上、大変早口になりますが、ご理解をよろしくお願いいたします。 まずは、臥雲市長、ご就任おめでとうございます。市長ご存じのとおり、地方自治における議会制度は、自治体の長の持つ権力の強大さに対し、市民の市民益の確保というバランスを保つために発展してきたという歴史があります。それは、多くの命の犠牲の下に獲得された発展ですが、途上でもあります。議会に身を置く立場として、その歴史の重さを感じるにつれ、議会制度のさらなる発展のために尽くすことが市民益につながると信じておりますので、これからどうぞよろしくお願いいたします。 それでは、最初に、松本市立病院に関する質問をさせていただきます。 新型コロナウイルス感染症対策に関し、医療従事者の皆様、また病院関係者の皆様におかれましては、使命感を持って最前線で奮闘されてきたことに心から敬意と感謝の意を表します。 さて、私はこれまで、市立病院の在り方を考える際、公立病院の役割とは何かという前提条件を踏まえて議論しなければならないと常々訴えてまいりました。前提条件によって結論は変わり得るからです。これまで松本市立病院における公立病院の役割とは、小児医療、周産期医療や安曇地区、奈川地区などに対する僻地医療などの政策医療だけでなく、整形外科や泌尿器科など一般診療科も含め、人口と医療施設が少ない地域に市民の健康保持に必要な医療を行政サービスとして政策的に提供することであるとされてきました。また、市が199の病床を持つ市立病院を西部地域に設置していることで、救急医療に対応できるだけでなく、医療施設が充実している中心市街地との医療格差を減少させていること、地域住民がいつでも医療を受けられ、安心した生活を支える身近な病院としての存在意義を果たしてきていることも役割として挙げられています。これに加えて、今回の新型コロナウイルスの感染拡大により、第二種感染症指定医療機関としての機能も市立病院における公立病院の役割として改めて認識し直されたのではないかと思います。 松本市立病院は、これまで病院経営を取り巻く環境が厳しさを増す中、経営改革として様々な取組を行い、収支の改善を図ってきました。しかし、そもそも公立病院は、黒字過ぎても駄目、赤字過ぎても駄目という、非常に狭い難しいかじ取りを求められるゾーンにい続けなければならない立ち位置であり、一般的に認識される民間企業並みの経営とは全く状況が異なります。したがって、経営の観点からのみ市立病院を眺めた場合の結論と、公立病院の役割という前提条件を踏まえた上で市立病院を眺めた場合の結論とでは、必ずしも同じにはならないということをこれまで申し上げてまいりました。実際に経営改革が功を奏し、令和元年度の経営収支がようやく黒字になる見立てとなり、この勢いで今年度も黒字へと思っていた矢先に新型コロナウイルスの影響によって、再び経営が悪化してしまったわけです。 民間企業なら、経営を不安定にさせる不採算部門の切捨てが必ず検討されるでしょうが、公立病院において答えは必ずしもそうとは限りません。特に感染症指定医療機関は、その特質上、公的役割を担う病院が対象となります。つまり一般の病院で指定感染症患者を受け入れることはないのです。一般病院がやらないことを公立病院が担うということの意味、社会的責任、重要性、そして経営のみの観点から公立病院を眺めることへの限界が、まさに今回の件で明らかになったのではないでしょうか。 このような点を踏まえ、設置責任者としての市長は、市立病院公立病院としての存在意義に対しどのような見解をお持ちかお伺いいたします。 また、新型コロナウイルスの影響によって、現在、市立病院はどのような状況に陥っているのでしょうか。感染者を受け入れたことによる財政状況、利用者や市民からの評判など、現状についてお伺いいたします。 さらに、新型コロナウイルスが発生する前と同等の、あるいはそれに近い状況への回復が喫緊の課題となっていくと思われますが、もはや経営改善だけでは埋められない影響が出ていると思われます。市民の皆さんにこうした背景をご理解いただきながら、何らかの財政的措置への検討も市長部局と病院局との間で必要になってくると思われます。病院単体での課題もあれば、国の制度設計上の課題など、全国的な共通課題もあると思います。市立病院の老朽化も非常に大きな問題です。市立病院は、今、どのような課題に直面しているのか、解決の道筋をどのようにつけていくのか、現状の課題と今後の展望についてもお伺いいたします。 次に、経済政策について質問いたします。 新型コロナウイルス世界的パンデミックを引き起こしたことで世界経済は不安定となり、国内ではリーマンショックに続きコロナショックという言葉が使われるようになりました。感染封じ込めに関して各国では様々な取組を行ってきましたが、治療法が確立されていないということもあり対策は不安定なままです。一旦感染者数の増加を抑えられても、いつ第二波、第三波が来るか分からず、私たちは、この見えない敵に対して言い知れぬ不安と恐怖を感じています。しかし、皆さんもお感じになっていると思いますが、2月、3月時点での先の見えない恐怖に比べ、今の私たちの気持ちには少し変化が生じてきたように思います。それは、ウイルスに対する恐怖は変わらないけれども、どういう生活をすれば感染のリスクを避けられるか、今日までの自らの成功体験を通して、少しずつウイルスとの付き合い方に慣れてきたのではないかという心理的変化です。その一方で、まだ外出が怖い、人が集まる場所には行きたくないという声も聞かれます。あるシンクタンクの調査では、この心理は二極化しており、年金生活者などの月の収入が安定している層は自粛生活に安心を感じ、雇用や収入に不安を抱える層は経済活動の再開を望んでいるというものです。 欧米では、日本よりも厳しい外出禁止令を発令してまで感染を封じ込めようとする都市が続出しました。実際に外出禁止令が出されてからの感染者の増加数は、それ以前に比べ劇的に減りました。しかし、外出禁止令が緩和されてから、パンデミック前の経済レベルに戻すための効果的な政策が打ち出せずに、公的資金を基幹企業につぎ込むなどの苦戦を強いられている国が多いのも事実です。そして、今、欧米では、新型コロナウイルスの恐怖よりも景気低迷による生活破綻への恐怖のほうが大きいとさえ強調する記事も度々見られるようになっています。 では、松本はどうでしょうか。都道府県知事の強い要請によって県域をまたぐ移動が減り、現在、松本市内では感染者の発生がゼロに抑えられています。しかし、お金の流れも止まってしまっているため、経済は深刻な打撃を受けています。このまま自粛を続けるだけでなく、ウイルスとのうまい付き合いと経済活動とを積極的に両立させていかなくては、数か月後、数年後の松本を大きく後退させてしまうことになりかねません。また、複数の調査結果によると、特別定額給付金を貯金に回すつもりの人は5%から15%、20代においては30%台と高く、お金が市場に循環しにくい状況が生み出されるだろうことも分かっています。もちろん預貯金は、特に休眠預金などを金融機関が投資に回すでしょうから、それはそれで経済に貢献できますが、ダイレクトに地元経済が回るようになるのは、何といっても消費者が地元でお金を使うことです。 市長は、昨日、新たな経済対策について言及されました。宿泊施設だけではお客様を満足させることができず、周囲に出歩ける施設やお店があってこそ満足度も増えると宿泊事業者の多くは考えているようです。感染のリスクと経済活動の再開は軸足の定め方が難しく、だからこそ政治判断によるところが大きいのであり、市長の決断が必要となります。よって、この時期においては、あえて経済再開の観点から質問させていただきます。 市は、これまで国の補助事業の上乗せ支援のほか、単独で個人事業主や宿泊業者への支援を手厚くしてきた経過があります。松本ならではの特徴を押さえた支援策であったと評価しています。一方で、小規模法人への保護がなかったことに対しては、事業者から不満の声も上がっています。市長は、松本市新型コロナウイルス感染症対策専門者会議経済観光部会の設置に対し、設置目的として、売上げが落ち込む事業者の声を吸い上げ、必要とする方策の検討をするとし、総合的、複層的、全体的な取組が必要、分野が異なる人が集まり検討、議論することに意義があるとの見解を示されています。 まず、市独自の経済支援策を打つに至った経過、庁内の議論を含め、お聞きいたします。 また、この会議の経済観光部会について、目的は十分達成されているとお考えでしょうか。 さらに、市長は、専門者、専門家という言葉をよくお使いになりますが、市長が考えるこれらの言葉の定義とはどのようなものでしょうか。それに関連し、メンバー選定の理由について、庁内でどのような検討が行われたのかという議論の過程も含め、質問させていただきます。 以上、1回目の質問といたします。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) 小林議員の質問にお答えします。 まず、松本市立病院公立病院としての存在意義についてのお尋ねであります。 松本市立病院は、松本西部地域、これは波田、梓川、安曇、奈川、その周辺の地区や隣接する山形村や朝日村などの地域を指すと私は考えておりますけれども、この地域の基幹病院、そして少子・超高齢化社会のニーズに合った地域密着型多機能病院としての役割を担っている。これが一つの存在意義であり、また今後も大きな存在意義であり続けると考えています。 もう一つは、先ほどもご指摘がありましたように、松本医療圏における感染症指定医療機関として、新型コロナウイルス感染症患者疑似症患者の多くを受け入れてきたということであります。現在でも新型コロナウイルス感染症外来検査センターを、中信地域で唯一、院内に設置し、この感染症医療中心的役割を果たしてまいりました。このとりわけ後者の面での役割がクローズアップされた、そして市民の皆さんに浸透したということで、公立病院としての松本市立病院の存在意義はこれまで以上に市民の間でも高まっていると考えております。そして、先ほどご指摘もありましたように、松本市全体の医療を支えるという社会的責任も負ってきたと認識をしております。 次に、松本市独自の経済支援策をめぐる経緯、さらには専門者会議についてのお尋ねであります。 私は、経済支援策というものは、国、県、市町村がそれぞれ役割を果たしながら一体的に取り組む必要があるというふうに考えております。国や県は、財政力を踏まえた、対象を広く支援策を講じていく、そして市町村は、それでは賄い切れない、あるいは国の支援の恩恵を受けにくい事業者を対象に独自に支援策を講じていくべきであると考えます。そのため、今回の局面においては、松本市内の事業者の実態把握やほかの自治体の情報を収集しながら、現実に基づく支援策につながるよう、専門者会議を活用して担当部局と検討を進めてまいりました。専門者会議経済観光部会につきましては、感染拡大の影響を強く受けている事業者の声を中心に耳を傾け、施策化するために開催したものであります。松本市内の主な経済団体や各業界の代表者の方にお集りいただきまして、業界の置かれている現況や支援策に関わる課題などについて意見交換を行ってまいりました。私は当初の設置目的は、おおむね機能したのではないかという認識を持っております。 専門者と言う言葉の定義というお尋ねでありますけれども、いわゆる学識経験者という意味ではなく、今回の経済観光部会については、各業界の現況や事業者の実態を把握している方々という意味で捉えております。部会の委員の選定につきましては、そうした実質的に専門的な議論ができる方という観点から、事業者への影響を幅広く酌み取るために、各関係団体の代表者に加えまして、団体に属さない若手事業者の方や、そのほかにも開催の都度、ゲストスピーカーを招集して幅広く意見を拾えるように努めてまいりましたし、これからも努めていきたいと思います。こうした皆様との議論を経た上で、さきに実施をいたしております個人事業者宿泊事業者に対する支援策、さらには今回6月補正予算で提案をさせていただいた新たな4本柱の経済支援策といったものを提起をさせていただいております。 小林議員ご指摘のように、これから地元で経済を回す、消費に回す、そうした観点からさらに検討を進めてまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 北野病院事業管理者。 ◎病院事業管理者(北野喜良) 初めての答弁ですので、よろしくお願いいたします。 最初に、財政状況や利用者からの評判などについてお答えします。 まず、今年に入ってからの財政状況を申し上げますと、入院収益と外来収益を合わせた病院収益は、前年同月比で4月が23.4%、5月が29%減少しました。収益が減少した要因は、新型コロナウイルス感染者疑似症患者に一般病床を充てたこと、二次救急を他院にお願いしたこと、手術、内視鏡検査、健診、リハビリなどを中止または控えたことによる患者数の減少と考えられます。 利用者や市民からの評判についてですが、4月17日の病院の記者会見後、37名の個人と56団体からの寄附、寄贈、そして励ましのメッセージ15通を頂きました。一方で、来院を控える患者さんは多くなったと思われ、特に初診の患者数は50%以下に減少しました。大きな風評被害はありませんでした。 現在の状況については、6月1日から二次救急患者さんの受入れや手術、内視鏡検査、健診、リハビリなどを再開し、通常の診療体制に戻りつつあります。新型コロナウイルス感染症は長期化する見通しであり、一般病床17床を新型コロナウイルス感染者用に空けておかねばならぬため、入院患者数の減少は免れないと予測しています。総じて、今年度の病院経営に与える影響は大きいと考えています。 次に、回復に向けた課題と今後の展望についてお答えします。 病院としては、新型コロナウイルス感染症蔓延前の状態に経営状態を早期に回復させるべく取り組んでいます。しかし、先ほども申し上げましたように、感染症指定医療機関としての受入れ態勢を継続するため、同等の状況に戻ることは難しいと考えています。また、感染患者さんの動線が悪い、個室対応ができないなどの建物構造上の問題も解決が必要です。これらについては、新病院の建設計画に反映したいと思います。 次に、今後の展望について申し上げます。 加速度的に病院機能の見直しや人員配置の適正化などの病院経営改革を進めつつ、当院の悲願である新病院移転計画を並行して進めていきたいと思います。また、こうした計画を来年度からの新公立病院改革プランに盛り込み、地域と時代に合った病院づくりに邁進していきます。 以上、お答えします。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 公立病院としての存在意義をお聞きいたしました。市立病院は、地域住民が安心して医療を受けられる環境として欠かせない存在です。風評被害はなかったとのことですが、通院控えによる症状の悪化が懸念されています。昔から住んでいる波田の皆さんは、病院の構造上の課題もよく分かっていらっしゃいますので、私のところに真っ先にご連絡くださった方のご意見は、高齢の自分が通院するのはとても不安というものでした。様々な試行錯誤の末、ようやく黒字化にたどり着いたこれまでの病院の頑張りは評価に値すると考えております。ただ、その矢先、新型コロナウイルスの影響によって再び悪化してしまうわけですけれども、老朽化も重要な要因となっていると思います。 そこで、市立病院再整備事業について質問いたします。 これは地元にとっても悲願であり、松本市との合併以来の懸案事項です。特にこれまで進められてきた計画の認知も相まって、何をどこまで生かし、どこを見直していくのか、建設候補地をどこに変更し、いつ完成させたいのか、どのように進めていくのか、こうしたことが市民の皆さんにとってより関心の高いところでもあるようです。また、市立病院は、平成30年に在宅医療、在宅療養と地域包括地域密着型の在宅療養支援病院へと機能を転換し、これを市立病院経営スタイルとしてきました。感染症対応については、これまで大きく言及されてきませんでしたが、今回の教訓を生かした病院にしなくてはならないでしょう。市長の市立病院再整備に向けたビジョンと、先ほど述べました市民の皆さんの高い関心事項について市長の思いをお聞かせ願えればと思います。 引き続き、経済政策2回目の質問と要望に移ります。 専門者会議経済観光部会のメンバーの選定理由は明確にする必要があったかなと思います。他の事業者から疑問の声も上がってきていました。また、専門者の定義について、あえて専門者という名前をつける必要があったのか、さらに、業種や業界団体を束ねる組織の長が市長の定義する専門者に該当するのか分かりづらい印象でした。庁内での検証が必要だと思われますので、また、そちらのほうをよろしくお願いいたします。 また、効果は十分とのご認識ですが、多額の市税投入につながる会議ほど透明性の担保に努める必要があります。意思決定の過程について議論の概要を公開するなど、納税者である市民との情報共有にも努めていただきたくお願いいたします。 今後、経済を活性化させるに当たっては、火つけ役として松本の経済を牽引してきた芸術文化、イベント、スポーツ事業者などの声も聞くべきではないかと思います。柔軟な発想を期待できると思いますので、ご検討をお願いいたします。 次に、具体的な支援策について伺います。 全国的にステイホームからステイホームタウンが徐々に合言葉になっているようですが、地元を楽しもう、エンジョイタウンなどのほうがずっと前向きで明るい気持ちになれるのではないかと思います。まちからはしばらく出ないけれども、身近な魅力を楽しもうという気持ちになれるような機運の醸成ができないものかと考えています。大手企業を中心に社員に飲み会の自粛要請を行っているところがあると聞いています。今、松本に必要なのは、松本市内で安心して楽しめる松本の楽しみ方を知ってもらうことであり、こうした取組を進める組織や団体と一緒に協働したり、あるいは彼らの活動を後押しするような支援を積極的に行っていくべきなのではないかと思います。企業へのアプローチも必要です。若い人たちの中には、自ら知恵を出し、行動力を持って松本を元気にしようと動き始めたグループもあります。状況が落ち着いている今だからこそ、イベントなどの実施を慎重に慎重にとやめさせるのではなく、どうしたら安全に実施できるのかを考えていく、実施に向け支援の手を打っていくことこそ、今、最も必要な考え方ではないかと思います。市として、こうした支援に対する見解をお聞きいたします。 また、仕事で松本に来る方、あるいは仕事をしがてら松本に来る方も大事なお客様になります。ワーケーション、テレワーク。地方都市が歓待すべき相手であり、そのための対策が必要です。空きオフィス、空き店舗の活用、また、どのような企業を誘致していくのかなど、現状と見通しについてお聞きいたします。 一方、先ほどの二極化の話ですが、ウイルスとの上手な付き合い方と経済活動とを両立するには、慎重に自粛を続けるべきだとする考え方もとても重要な考え方です。したがって、リスク管理とマネジメントも考慮されなければなりません。東京都がアラート指数を設定し、そこに達すると都庁やレインボーブリッジが赤色にライトアップされる取組は、とても分かりやすいと思っております。リスク管理の見える化は、客観的で市民理解を得やすく、本市もアラート指数の設定に取り組むべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。 さて、松本市には大学をはじめとする学校が多く存在し、経済の下支えをしてくれている層として学生の存在が欠かせません。また、若者がまちなかにいてくれるから、松本は若々しいまち、魅力的で元気なまちでいられるのです。松本市は、若者や学生を大事にするまちであってほしいと思います。将来、市役所に学生が働きに来ることも視野に入れられます。しかし、全国ニュースでは、学生たちの飲食店などのアルバイトができなくなり、収入の見込みが立たないと、大学や専門学校を退学しないといけないかもしれないといった危機にまで瀕しているということを聞きました。松本市内の学生の実態を把握しているのでしょうか。市内の学生の実態はどうなのか、お聞きいたします。 以上、2回目の質問といたします。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) 松本市立病院の再整備についてお答えいたします。 松本市立病院の移転計画については、市長選挙の公約で、地域密着型病院の原点に立ち戻り、代替用地を再検討して早期の実現を目指すと掲げさせていただきました。まず移転先ありきだった宮地エンジニアリング株式会社工場跡地への移転計画が菅谷前市長の退任直前に白紙に戻ったことで、私は、主張していた方向へ政策を転換する環境が整ったと考えております。 一方で、新型コロナウイルスの感染拡大は、市立病院が進めていた経営改革に大きく深刻な影響を及ぼしています。経営改革を最優先して、実績を上げた上で移転を進めるとしてきた従来の方針に基づけば、事実上、移転計画は棚上げにならざるを得ないと言ってもいい状況です。 そこで、私が申し上げたいのは、新型コロナウイルス感染者を受け入れる態勢を取ったことと、病院の老朽化が相まって経営に大きな影を落とし、既に安定した医療提供が難しくなっているという現実であります。こうした状況を踏まえれば、従来の計画を早急に総括した上で、経営改革の視点に立ち、経営改革と並行して新たな病院づくりを再スタートする必要があると考えます。まずは、新病院のあるべき姿について、病院局内のプロジェクトチームと松本医療圏の医療関係者からなる専門者会議でそれぞれ議論を進め、松本西部地域にふさわしい地域密着型病院の建設計画を改めて策定したいと考えています。それと並行しまして、白紙に戻った移転先について、波田駅前のグラウンド用地と波田保健福祉センター周辺のどちらが適しているか検討を進めていきたいと考えています。こうした新病院建設事業の再開に向けまして、あさって19日開催の教育民生委員協議会で協議を予定しています。松本市立病院が感染症対策を含めた地域密着型の病院として市民にとって優しく安心で安全な医療を提供できるよう、今後も適宜適切な時期に議会に対して協議、報告をしてまいります。 次に、経済支援をめぐっての民間グループなどの取組への支援についてお答えいたします。 新型コロナウイルスの影響で厳しい経済状況が続く中、若い人たちが中心となって困っている飲食店のために自ら動こうとする取組が、この間、様々な形で見られました。先ほど小林議員が指摘したエンジョイタウン、安心して楽しめるような環境を若い世代が中心となってつくろうという姿は、大変うれしく、また頼もしく感じたところでもございます。松本市総合体育館駐車場におけるドライブスルーイベントや、松本城臨時駐車場で行われましたテイクアウトイベントなど、松本市としてはその会場を積極的に提供するという形で協力をいたしました。こうした若い人たちが自ら取り組もうとする姿勢や多彩なアイデアは、今後のまちづくりにおいては不可欠なものであります。先ほどご指摘あったように、どうしたらこれからイベントを安全に実施できるかといった視点から、全面的にこうした動きを後押しをしていきたいと考えております。 次に、ワーケーションあるいは空き店舗の活用といったことに対する質問にお答えいたします。 日常を離れた旅先で休暇も取りつつ、ある程度の仕事を進める、このワーケーションという新しい働き方のスタイルは、観光都市松本における新たな需要の掘り起こしにもつながることから、経済活性化の面において有効であり、そしてこれから模索していくべきものと考えています。ワーク・ライフ・バランスの実現を目指す都市圏の企業を松本市にいざなっていく材料にもなると考えておりまして、しっかりとこの分野についても研究をし、進めていかなければいけないと考えています。いまだ企業誘致を行う段階までは至っていませんけれども、しっかりと民間との連携の上に取り組んでいきたいと考えています。 一方、空き店舗の活用という側面でありますけれども、これは先ほどのワーケーションをはじめ新型コロナウイルスの状況の中で、大都市圏から松本のような地方都市にオフィスを移そうという需要があることを考えますと、空き家バンクをはじめ空き店舗を活用するための仕組みづくりは必須であり、急務であると考えています。ただ、残念ながら、松本市においての空き家バンクへの登録データの件数は極めて少なく、現段階では大きく後れを取っていると言わざるを得ません。この空き家バンク、空き店舗の活用は、企業誘致のみならず創業支援にも有効と考えられますことから、早急にこのデータを増やすための仕組みづくりを、市全体を挙げて取り組んでまいりたいと考えています。 最後に、東京アラートのようなリスク管理の見える化についてのお尋ねであります。 感染防止と経済活動の両立を図っていく局面で、東京都や大阪府の取組は非常に市民にとって分かりやすいという状況になっていることは理解をいたしております。一方で、新型コロナウイルスの感染情報は、長野県内においては一元的に県が管理をしておりまして、松本市では正確な感染情報を把握できないことから、専門的知見を要するアラートの発動に市が何らかの設定をしようとしても、正当性を欠くことになると考えます。また、松本市の人口規模は、東京のような大都市との大きな差があり、感染者1人の増減が大きく影響して、アラートの安定した運用にはなりにくいということが想定されます。したがいまして、松本市としましては、引き続き県が発令する警戒宣言や感染症対策の方針に基づいて対応をしていきたいと考えています。 ただ、緊急性の高い事案が発生した場合には、その発生状況に応じて迅速かつ弾力的に対応してまいります。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 中野政策部長。 ◎政策部長(中野嘉勝) 私からは、松本市の学生への経済的影響についてお答えをいたします。 今回、新型コロナウイルス感染症拡大により影響を受けている学生の状況につきまして、改めて松本市内の大学、短期大学4校及び専門学校10校に聞き取りをいたしました。その結果、アルバイトができていないなどの経済的理由から、退学や授業料の支払いについての相談のほか、国が創設しました学生支援緊急給付金の申請に係る相談が複数件あったとお聞きしております。これらの学生からの相談に対しまして、学校では授業料の減免や支払いの猶予を行うほか、学生への給付金の支給など、学校独自の支援策を実施しているところもございました。昨日も追加提案しましたが、消費喚起などの地域経済活性化策を早期に実施していくことが、学生のアルバイトの再開にもつながるものと思っております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 市長の熱い思いをお聞きいたしましたけれども、松本市立病院建設検討委員会が開かれまして、これは市内主要病院長や医師会、地元関係者らが集まりました。これも専門家と言えるのではないかなと、あるいは市長のおっしゃる専門者と言えるのではないかなと思います。こうした会議から提言書が提出され、これを基に松本市立病院建設基本計画が策定されたという経過があるということを私は記憶しております。その一方で、刻一刻と状況というのはやっぱり変化していきますので、当然柔軟に計画への反映というものが求められていることはもちろんでございます。 現在、新型コロナウイルスのために17床を空けていると先ほど病院事業管理者のほうから答弁がありましたけれども、ということは、現在180床余りが一般病床ということになっております。稼働ピーク時で既に180床を超えているというのが、これまでの実績であるということを考える必要があるかなと。それから、中心市街地との医療格差が2.5倍、大きな開きがあります。また、高齢化が進展する中で移動距離のある通院がもし行われるとするならば、金銭的、体力的な負担も伴っていくと考えられます。そして、また、いつ別のウイルスが発生するかも分からないといったような、今こういった状況になっております。これらを踏まえまして、市立病院の在り方というものはやはり考えていかなければならないのかなというふうに思います。 事業の早期完成を切望し、臥雲市長に願いを託した当事者である市民の声にどう応えていくのかということなんだと思いますけれども、私は、もう一度ちょっと聞きたいのは、基本計画、規模、人員、診療科などについて、臥雲市長自らどのように思われているのかということをお答えいただければありがたいなと思います。 なお、専門者、専門家という言葉の定義に関しては、少し明確に基準を設けられたほうがいいのではないかなと思います。もし同一にということであるならば、やはりそういった説明は必要かなと思いますので、よろしくお願いいたします。 あとは、教育民生委員会で深く議論されると思いますので、そちらに委ねることとし、経済政策の3回目の質問と要望に移ります。 市長、自ら動いて経済を活性化させようとしている若者たちが最も求めているものとは何だと思いますか。それは、彼らの活動の後ろ盾に市がなってあげるということなんです。本当にふだんから生産的に経済活動を行っている若者は、むしろ市からお金をもらって、逆にいろいろ制約が発生するくらいなら、もらわずにやるべきことをやり切りたいとすら思っているんです。数ある中の一例を紹介しますと、アルプス公園を舞台に毎年開催されている音楽イベント、全国から若者が音楽空間を求めて松本に集まります。市内の交通事業者が1年で一番売上げのあるイベントだと言っています。彼らが実施した、先ほど市長も言及されましたけれども、ドライブスルーイベントも大盛況でした。仕事のできる若者は、優秀なチームを率いて自ら案を出し、動き、結果を出していきます。 しかし、今、経済活動を再開させたい彼らが一番おそれているのは、ステイホームを叫ぶ市民層なんです。この層が苦情を言うと、そのせいで活動そのものができなくなってしまうことをとてもおそれているんだそうです。後ろ盾支援、私は、今だからこそ必要な新しい支援の形だなと思います。ぜひ松本市には苦情の言いなりになるのではなく、後ろ盾として彼らの味方をしてあげていただきたい。また、そのような体制づくり、例えば庁内ファンクショナルチームの創設、あるいは今後、若者の創造する、創るという意味ですけれども--力、イノベーションを生み出す力を応援できるような斬新な庁内の体制づくりなどを検討していただきたいと要望いたします。 企業へのアプローチについて、特に面白い発想や成長の仕方をする大企業との付き合い方、本市が成長する上でのマーケティングとしては最高なのに、松本は本当に得意ではないようです。今回は、新たにワーケーション誘致という提案を加えましたけれども、そもそもこうした新しい働き方について、私はこれまで、まだ松本が何も進めていなかったときから、しつこく強く推進してきましたけれども、本当に早く進めましょう、市長、やりましょう。経済は、入り口の話をしてこそ出口の話ができるのです。 空き家バンクの改善、すぐに取りかかっていただければと思います。その一方で、市内には既に公・民含めたコワーキングスペースあるいは準じて開放している店舗もあり、こうした資源を活用した企業誘致なら、すぐにでもできるはずです。職員の中には企業誘致のノウハウを持った方もいるのですから、できることからの検討を始められてはいかがでしょうか。要するに、事業所を必要とする企業からパソコン1つで社員が仕事のできる企業まで、多岐にわたっている現代において、すぐに取りかかれることもあるのかなと答弁をお聞きして感じました。市長の様々な公約の根底にある、本質的な社会変革につながるのではないかと思います。ワーケーション、テレワークは、引き続き私にとっての市政課題とさせていただきます。 松本アラート、松本ならではの指数ですが、主に経済を活性化させたいと考える経済人たちから、むしろ市民の不安を取り除くための前向きな意味での数値目標があるといいと、よく話が出ます。専門的知見を要するアラートの発動設定は難しいとのことですけれども、信州大学医学部附属病院感染制御室から2名の専門家がメンバーに入っているなど、専門者会議医療福祉部会にはそうそうたるメンバーがずらりとそろっているわけです。1人の感染者の影響が大きいということは、すなわち今の地方都市は、むしろ人間アラート状態であって、だからこそ市民同士の監視の目が厳しくなりやすい。そして、外に出にくくなってしまうのではないかと感じます。大切なことは、ウイルスと上手に付き合いながら、市民がまちに出ようと思える環境を整えることです。再度、庁内で熟議されることを要望いたします。 学生支援について、仕送りの足しが途絶えて困っている学生の声を聞いております。かつてバブル崩壊やリーマンショックのあおりを受け、ある医学部生は仕送りはなし、奨学金とアルバイトのみで生計を立てていました。医学書が高いから、買わずに図書館で勉強しているが、大学図書館が24時間使えるようになったことが最もうれしいと言っていたことを覚えています。学生には、本来ならば経済的な不安なく、安心して勉学に励める環境をつくってあげなくてはならないと感じます。また、不況時は、地方に仕事がなくなるため、大都市で就職する姿が多く見られるようになります。学生を一人でも多く地元に残す工夫も必要です。市では、オンライン就活セミナーの開催告知をされています。今回、実態把握に向け懸命にお調べくださったようですけれども、もし定期的に調査、把握されていたならば、もしかしたらこのほかにも、より適切な支援策を講じられていたかもしれないと思いましたので、状況把握は定期的にぜひ行っていただきたいと要望しておきます。 それでは、雇用確保・創出に向けた早急な取り組みの必要性について質問と要望をいたします。 市内企業の動向として、夏頃まではどうにか維持できるだろうけれども、夏過ぎまでに経済の循環がうまくいかなければ、年末あたりにリストラや倒産が相次ぐだろうと予測する経営者は少なくないようです。コロナショックは、リーマンショックより厄介だと言われています。松本の少し先の経済動向を予測し、必要な支援を打っていかねばなりません。現在の松本市における雇用の需要と供給のマッチングバランスはどのようになっているのでしょうか。松本市は、求人倍率を1以下にしないよう総力挙げて取り組むべきでしょう。求人倍率などの推移と今後の見通しについてお伺いいたします。 また、限られた財源の中で、新型コロナウイルスの影響による閉業や廃業の連鎖、失業率の増加の回避のためには的確な支援策を打つことが求められますが、市内企業の雇用に関する情報収集が必要なのではないでしょうか。他市では、緊急雇用対策として採用枠を広げたり、内定が取り消された学生の採用に向けて取組み始めたところもあります。松本市全体としてのまずは実態調査の実施を、また、その結果に合わせた早急かつ的確な支援をしていく必要があると考えますが、今後の方向性について見解を伺います。 消費型社会の今、お金が世の中に出回ることが重要です。また、お金自体の量が増えても回転率が低いままだと景気はよくなりません。さらに、経済システムをうまく回していくためには、時間とタイミングのバランスもとても重要であると言われています。松本が松本らしさを取り戻せるには、年単位での時間と覚悟が必要になると思います。その間、SOSの受発信体制の充実も必要になってくるでしょうし、場合によっては市債発行も視野に入れるべきと考えます。 市長は、松本の稼ぐ力を底上げすると公約で掲げられています。本当に稼ぐ力が必要なときは、いつでしょうか。まさに今なんです。今、稼ぐ力が求められているんです。制約の多い状況だからこそ、誰もが道に迷う。そして、不安になると動きを止めたがるものです。経済活動の回復を目指す上で、必ず向き合わなくてはならないのがこの心理的な連鎖です。その上で、市長が目指すまちづくりとは、逆境を強みに変えることなのではないでしょうか。刻一刻と状況が変わる中、今が正念場、応急処置をすべきときです。将来、あのとき手を打っておいてよかったと言える日のために、できることは取り組んでいただきたいと要望しまして、以上で私の質問を終わります。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) 小林議員の3回目の質問のうち、病院と経済についてそれぞれ申し上げたいと思います。 病院につきまして、病床数や診療科目について現在どのように考えているのかというご質問がございました。 私としましては、こうしたことは松本医療圏の全体についての視野に立って、専門者の方々に改めて検討をしていただきたいというふうに考えております。この私が言うところの専門者、これは病院経営者であり医師であるというふうに考えております。先ほどご指摘があった前回の松本市立病院建設検討委員会で、地元の方々や、そうした周辺の方々も交えた協議が行われたことを踏まえながら、今回の新型コロナウイルスの感染の広がりや経営改革と並行して新病院づくりを行っていく必要という観点から、病院経営者並びに医師の方々による改めての協議検討ということをお願いしたいというふうに考えております。 もう一点は、若い方々の取組、経済を盛り上げる取組に対しての市の支援の在り方についてのご指摘、ご質問であります。 先ほどお金ではない、後ろ盾支援というご指摘がありました。まさしく若い世代にとって自分たちが創意工夫をして新たな経済に対する取組を行おうと、しかもその前提として感染拡大防止の対策についてはしっかり留意しながら取り組もうということであれば、私は、これをしっかりと支えていく責任が松本市行政にあると考えております。そういうことに対して懐疑的な市民の皆さんがいらっしゃるのであれば、それに対する手だてをしっかりと説明したり、あるいはそうしたご意見を改めてそうした若い世代の事業者に投げ返して、市民全体が納得する形でこの経済を回していく様々な取組ができるような、そのための仕事を松本市としては取り組んでまいりたいと思います。 そして、松本らしさをできるだけ早く取り戻していくんだという小林議員の言葉をしっかりと受け止めながら、この新型コロナウイルスの難しい局面を議会の皆さんとも一緒になって乗り越えていきたいというふうに思っております。 以上であります。
    ○議長(村上幸雄) 小原商工観光部長。 ◎商工観光部長(小原直樹) 私からは、雇用に関するご質問にお答えをいたします。 初めに、求人倍率の推移ですが、松本公共職業安定所が公表している直近3か月の月間有効求人倍率は、2月が1.45、3月が1.38、4月が1.16であり、徐々に低下をしています。一方、新規求職者数につきましては、前年対比で2月が4.1%の増、3月が3.2%の増、4月が2.8%の増と、こちらのほうは目立った増加は見られません。求人倍率の低下に比べて新規求職者数が大きく伸びていないことを考えますと、企業においては新型コロナウイルスの影響により新規の採用は控えているものの、雇用の維持に努められている状況にあるというふうに考えております。 今後の見通しにつきましては、経済活動の回復が遅れますと、議員のお話にもございましたが、これまで雇用の維持に努めていた企業も解雇などに踏み切ることが考えられ、一層雇用における需要と供給のマッチングバランスが崩れるものと懸念しているところです。 次に、市内企業への調査の実施についてでございますが、現在、新型コロナウイルスに関する影響についての特別調査を松本商工会議所と共同で実施することを予定しています。この調査では、売上げのほか休業や国等の制度の利用状況等について調査をする予定ですので、この調査に議員ご指摘の雇用の実態、見通しなどの調査項目を加えるように検討いたします。調査の結果につきましては分析を行い、今後の施策に生かしてまいります。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 以上で小林あや議員の質問は終結いたします。小林議員は自席へお戻りください。 次に、26番 犬飼信雄議員の質問を行います。犬飼議員は質問者待機席へ移動してください。 26番 犬飼信雄議員。 ◆26番(犬飼信雄) 〔登壇〕 誠の会、犬飼信雄です。発言の機会をいただきましたので、小林あや議員に引き続き、通告に従い、一括にて私見を交え質問させていただきます。 まず、初めに、新型コロナウイルス感染症対策について述べさせていただきます。 新型コロナウイルス感染症の新規感染者数の増加に伴い、4月7日に首都圏の1都3県、関西の1府1県と福岡県の7都府県を対象に発出された緊急事態宣言は、4月16日にはその対象が全国へと拡大され、見えない敵との闘いが全国規模で展開されました。ステイホームを合言葉に、密閉、密集、密接の3密を避け、行動変容を起こし、テレワークやテレビ会議システムの活用など、新しい生活様式への転換に向けた様々な取組や対策が取られました。その結果、新規感染者数が明らかな減少に転じたことから、5月14日には長野県を含む39県で緊急事態宣言が解除され、21日には近畿地方の3府県で、そして25日には最後まで宣言が継続されていた首都圏の4都県と北海道でも解除となり、新型コロナウイルス感染症との闘いは新たなステージに入りました。 この間、本市においても、市民の皆様、事業者、関係する全ての皆様が感染症拡大防止に真剣に地道に取り組んでいただいた結果、松本保健所管内では4月19日の感染者確認以降、新たな感染者は確認されていません。特に医療従事者の皆様には、感染予防マスクやガウンが不足する中で、前線で感染者の命を救うため日夜奮闘され、ここに改めて敬意と感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。 今後は、見えない敵である新型コロナウイルスと共存する中で、社会生活や経済活動を感染拡大の前の状態に戻していく努力が必要で、これは皆様も同じ思い、また共通の認識だと思っております。本市の新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応については、結果が示すように、臥雲市長を先頭にフットワークとチームワークで的確な対応ぶりと考えますが、今定例会で多くの議員から質問、提案、要望等がなされている中、評価が分かれていますが、私は全国に誇れると大いに評価するものであります。先人の言葉を借りれば、まさに政治は結果であることを示したと思います。 さて、今議会で市長の政治姿勢をただすに当たり、防犯カメラについて質問すると仲間に話したところ、また市長をいじめるのかと心配いただきました。そのように映るのか、取られるのかとびっくりして、議会には議会の決まり、ルールがあるとともに、私は、是々非々の姿勢で臨んでいると答えたところ、今度は是々非々とはどういうことかと問われました。またびっくりしながら、議論を重ね、よいところは賛成し、悪いところは反対すると説明した次第です。ですから、新型コロナウイルス感染症への対応については心から称賛させていただきました。 それでは、通告に従い、私見を交えて是々非々で質問させていただきます。1回目は、これまでの経緯について確認させていただき、2回目は、考え方、方針について伺います。 市長の政治姿勢、防犯カメラの復旧について伺います。 このことにつきましては、機会あるごとに異を唱えてまいりました。初めは、4月8日総務委員協議会での報告事項において、防犯カメラ作動停止の事後報告の中で、多くの議員から異を唱える発言があり、私も異を唱えた一人であります。報告事項の集約は、幾ら反対意見を述べましても付言をつけ、報告を受けたと集約すると申し合わせており、これでは理事者に真意が伝わらないと考え、集約前に、機会あるごとに意見を申し上げると通告させていただきましたことが1点目。なお、昨日、柿澤議員の質問の信頼感ではございませんが、以前は、市長と議会側の関係で報告事項の反対案件は、聞きおいたと集約しておりました。その後、相互の信頼関係の下、報告を受けたと集約してきたことを申し添えておきます。 次に、4月14日の第1回臨時会において、副市長同意案件の反対意見の理由の中でも、予算議決をし、請願を否決して大変重い議会意思を示したにも関わらず、防犯カメラを停止した政治手法を厳しく批判しましたことが2点目。 そして、5月25日の危機管理部概要説明においては、第一地区(防犯重点地区)における防犯カメラの維持管理について効果検証させていただきましたところ、設置まではプライバシーの侵害に当たるなど多くの反対意見、行動がありましたが、犯罪防止、抑止力効果により、設置から19年経過した現在まで順調に作動しており、現在までの警察への情報提供は近年では数件、十数件の年と、諸事情等の背景によりばらつきはありますが、問題なく運営がなされていました。 また、今回の質問に当たり県下19市の調査では、何らかの防犯カメラないし監視カメラが12市で設置されておりますし、令和3年完成の新庁舎に設置するか検討中が1市ありましたので紹介させていただきます。 それでは、初めに、令和元年、ちょうど1年前、6月定例会での犬飼明美議員の防犯カメラの撤去についての質問に対する高野財政部長の答弁について確認させていただきます。答弁は、防犯カメラの設置については、市民や職員の安全を確保することを目的として設置し、その目的、必要性、設置状況などから考え、プライバシーの侵害に該当するとは考えていない。また、防犯カメラが不安と感じる市民の方に対しては別室へ案内し、市民の気持ちに寄り添った対応をする。防犯カメラは庁舎を適正に管理していく上で有効な手段とし、撤去は考えていない。これが1回目の答弁で、2回目は、撮影状況として、窓口の背後から状況を俯瞰して捉えており、プライバシーの侵害には該当しない。また、防犯カメラを適正に運用するため松本市庁舎における防犯カメラ等の設置及び運用に関する要綱を制定し、設置場所や撮影範囲、画像データの取扱いも定め、6か月を経過した現在、窓口でのトラブルもなく運用上の問題も生じていないので、改めて設置の適否の検証は必要ないし、第三者機関の設置も考えていないと答弁しております。 3月30日に臥雲市長が初登庁し、2日後の4月1日には市長の指示で防犯カメラの作動を停止していますが、停止に当たって、高野部長は市長にどのような経過説明をしたのか、また、現時点で昨年の6月定例会の答弁についてどう考えているのか、併せて伺います。 以上で1回目の質問といたします。 ○議長(村上幸雄) 高野財政部長。 ◎財政部長(高野一司) 2点のご質問についてお答えいたします。 初めに、防犯カメラについての市長への経過説明でございますが、臥雲市長就任前の3月23日に説明をする機会がございました。そこで設置の経緯、設置状況、運用方法などについて説明をいたしました。その際、市長から新たに始まる24時間の警備体制に関する質問があり、そのことについても説明をいたしました。 次に、令和元年6月定例会における私の答弁内容につきましては、犬飼信雄議員からご紹介のあったとおりでありますが、防犯カメラに対する認識に変更はございません。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 犬飼信雄議員。 ◆26番(犬飼信雄) 〔登壇〕 高野部長より答弁をいただきました。3月23日に臥雲市長への経過説明をし、具体的内容については設置の経緯、設置の状況、運用方法、24時間の警備体制などについて説明しましたし、答弁見解については、認識は変更ないとのことでありました。 1回目の質問は、この認識を持って市長へ経過説明をした重みの確認をさせていただきました。と申しますのは、部長の答弁であれ、市長の答弁であれ、執行機関の理事者の答弁でありますので、市長の方針と私は理解していますので、求めたかった答弁であったことを念頭に、2回目の質問をさせていただきます。 2回目は、初めに、防犯カメラの作動停止に至った経過と理由について伺います。市長は、先ほども申したとおり、3月30日に初登庁され、4月1日には多くの市政課題がある中、市役所庁舎内の防犯カメラ7台について電源、通信を切断し、作動を停止しました。停止理由として、これまで市及び就任前の臥雲市長に寄せられた様々な意見に配慮するとともに、4月1日から24時間体制で警備員を配置し常駐警備を始めることで、庁舎内における市民及び職員の安全確保が維持できると判断したためとの報告が1点目。なお、この24時間体制の常駐警備予算は、市役所庁舎警備強化の予算で当初予算として認めたもので、防犯カメラ作動停止に伴う警備予算ではないことを申し添えておきます。 また、3月4日の、3.15松本市長選立候補予定者6氏座談会の報道によりますと、市が生活保護課窓口などに設置し、運用を始めた防犯カメラについての考え方を問われ、臥雲市長は、ハンディキャップを負った人たちや社会的弱者の人たちへの配慮に欠いた措置だ。速やかに撤去を検討する。防犯上の問題は、防犯カメラでなくても対応できると考えていると回答しております。座談会に出席した6人は、市長も含め全員が否定的な考えを示しましたが、私の私見を述べさせていただければ、これは生活保護課を念頭に置いた回答だと私は読み取りました。なぜかと言いますと、それぞれの候補者のコメントの内容に、生活保護申請は、寄り添い一緒に生活再建を図る、生活保護の窓口に設置の詳しい経過は知らないが、プライバシーの侵害、人権への配慮など、生活保護課を強く意識した発言であることがうかがえるからであります。これが2点目。 私は、この2点しか停止に至った経緯と理由については知り得ていませんので、市長が停止の決断に至った経過と理由について伺います。 続きまして、市長が考える民意とは何か伺います。 辞書によりますと、国民の意思、人民の意思とありますから、ここでは市民の意思と読み替えることができます。これを受け、選挙の後には民意は何を示したかと、多くの報道がこのような切り口で伝えるのが一般的ではないかと考えます。今回、臥雲市長は、公約を掲げ、訴え、選挙戦を戦い、当選の栄に輝いたのですから、立候補者の中で最大の民意を得たことを異に唱えるものではありません。ただ、今回の市長選の構図は、過去と異なり、現職が立候補せず、新型コロナウイルス感染症拡大防止に配慮し選挙活動が制限される中、新人6人によって争われたことが特徴と言えます。投票率も50%を切り、6人が立候補したこともその要因と言えるでしょうが、当選者が獲得した投票数の有権者数並びに投票者数に占める割合は、過去最低となりました。このような状況の下で、当選イコール公約が認められたと言えるのでしょうか。例えば現職対新人という構図であれば、当選イコール公約が認められたと認識しても大いに結構ではないかと考えますが、今回の新人だけの構図の下では、公約によっては敗れた候補が掲げた公約のほうが民意の高い支持を得ているケースもあると私は考えます。 そこで伺いますが、臥雲市長は当選されていますので最大の民意を得たことは事実ですが、今現在、市長が考える民意とは何か伺います。 最後に、防犯カメラの復旧に向けての考え方について伺います。 市長が、進めるスピード感には共感しますが、スピードを出すことによって大切な物の考えを置き去りにしてしまうこともあります。最初に共感している事案を申し上げますと、防犯カメラの作動停止は別として、さきに申し上げましたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策においては、対策会議の開催、専門者会議の開催、総合相談窓口コールセンターの開設、本市独自の特別給付金、教育問題、子育て支援、市の施設の開閉、また今議会の追加提案などなど、細部にわたり昼夜を問わず取り組む姿勢は大いに評価しますし、松枯れ対策においても現場主義を貫き、現地に入るフットワークのよさなど評価に値するスピード感を見せていますが、一方、防犯カメラ作動停止については、あまりにもアクセルを踏み込み過ぎ、行政運営を進めていく上での二元代表制の松本市議会の意思を置き去りにする結果となり、今日に至っているところであります。 臥雲市長は、就任に当たり多事争論を掲げました。これまでの市議会が決めてきたことは、まさに二元代表制の下、理事者側と議会との間の多事争論によって決定されてきたことであります。そこで、この議会意思の重みを明確にするために、1回目で高野財政部長に、以前は松くい虫対策の薬剤空中散布中止においては、林農林部長に大変厳しい、また答弁させてはならない内容まで踏み込まなければならない質問をし、市長には作動停止に至った経過と理由、そして民意についても伺ったところであります。このような経過から、市長の公約を実現するためには、防犯カメラは復旧して、同じテーブルに着いて多事争論、大いに協議し、議論し、調整し、結論を出していくことが最善と考えます。 そこで、防犯カメラの復旧についての考えを伺います。 以上、2回目の質問とさせていただきます。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) 犬飼議員のご質問にお答えします。 初めに、防犯カメラの運用停止の経過と理由についてお答えいたします。 防犯カメラにつきましては、設置前の平成30年12月の議会で、プライバシーや人権との関係を含めた様々な議論が尽くされました。私は、このときの総務委員会にも傍聴でこの議論を聞かせていただいたことを思い出します。そこでは、最終的に設置に至ったことは承知をいたしております。しかしながら、窓口へ防犯カメラを設置することは、訪れる市民にとって、生活保護をはじめとする各種申請行為や気軽な相談がしにくくなるのではないかという点を危惧する声がありましたし、この12月議会で議員の皆さんの中にも、人権への配慮が足りないのではないかというご指摘があったのも事実であります。私としましても、建物の出入口に設置されている不法侵入や盗難防止を目的としたカメラ、このカメラにつきましては市役所におきましても本庁舎と東庁舎の出入口に3か所以前から設置されて、今も稼働しているわけでありますが、そうした一般的なタイプのカメラと違い、生活保護をはじめとする特定の窓口への設置については、より一層人権に配慮する必要があるという思いが以前からございました。 庁舎は、市民の皆さんが安心して訪れることができる場所であり、職員が安心して働ける場所でなくてはなりませんけれども、安全を確保する方法は1つではないと考えます。松本市が、人権上の懸念を与えるような策を講じたことには違和感がありました。市が行う施策に対して人権上の問題が指摘され、市民の間でも様々な意見がある以上、そうした状態は速やかに解消することが望ましいと考えました。そして、4月1日から24時間の常駐警備が始まり、窓口への防犯カメラがなくても防犯体制を維持することは可能と判断したことから、就任早々ではございましたが、4月1日というタイミングでカメラの作動を停止したものであります。就任直後で皆様には唐突に映ったかもしれませんが、こうした経緯と現状を踏まえ、熟慮の上に判断したものでございます。 次に、市長が考える民意とは何かというご質問でございます。 今回の市長選挙は6人の候補者が立候補し、先ほどご指摘もありましたように、私が獲得した得票数は、投票数に占める割合では過去最低という結果でありました。一方で、公職選挙法に基づいて執行された市長選挙であり、市民の皆さんの負託を得て市長に就任したと自負しております。現職対新人の構図ではなかった、新人同士の構図だったというご指摘ですが、私に対して有力とされた候補者の方は現職が推す候補者であり、新人同士の構図ということでは割り切れない今回の選挙が、これまでの路線とそして新しい路線を市民の皆さんに問うていただける側面もあったと私は考えております。そして、いずれにしましても、この選挙の結果は民主主義の結果であり、市民の意思と受け止めております。 そして、この選挙結果によって私が掲げた公約の全てが民意を得ているというふうには考えておりませんが、今申し上げたような経緯で、市長が替わることに伴って、公約に基づいて一定の政策転換が図られることは当然のことであると考えています。議員と市長、立場は違いますけれども、市議会議員の皆様が選挙によって同じ市民の皆様から選ばれたことも民主主義の結果であり、市民の民意であります。この市民の民意を得た議会と行政がそれぞれの立場を尊重しながら熟議を重ね、時には互いに手を携え、時には厳しく対峙し結論を出す、そうした姿勢に立ってこれからも引き続き市政運営に努めてまいります。 最後に、防犯カメラの復旧についてのご質問にお答えします。 この件につきましては、防犯カメラの有効性という観点以上に、人権への配慮という観点から判断しましたもので、ご指摘のような復旧は考えておりません。しかしながら、今回の議員のご質問を契機に、私自身、おととし12月の議会の総務委員会の議事録に改めて目を通させていただきました。他市においてはどのような場所に防犯カメラが設置されているのか、警察からはどのような指導があったのか、市民や職員を犯罪から守るためにすべきことは何か、警備員の配置を前倒しできないか、様々な角度から議員の皆様の議論がなされていたことを改めて確認しました。その上で、7か所のカメラについて正確な位置と設置状況を、私自身もう一度確認をいたしました。その結果、このうちの1か所、具体的には本庁舎の北側にある外階段を上った2階、本庁舎と別棟をつなぐ渡り廊下の上に設置した1か所につきましては、市民が利用する窓口とは異なり、出入りを監視するためのものであることを確認いたしました。これは、庁舎の出入口に不法侵入の対策として設置されている防犯カメラと同じ目的のものと認められます。したがいまして、この1か所のカメラにつきましては、人権への配慮という観点からも社会通念上認められると判断し、近く作動させていただきたいと考えております。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 犬飼信雄議員。 ◆26番(犬飼信雄) 〔登壇〕 2回目の答弁をいただきました。3回目につきましては、答弁を聞き質問すると通告しておりましたが、質問はありませんが、何かこれから私が述べる思いに共感いたしましたら、ご発言のほどをよろしくお願い申し上げます。 運用停止の経過と理由については、人権についてもプライバシー問題についても、私が質問で用いた2点をもって停止した経過、理由であることを確認させていただきました。民意についても、私が質問で用いた民意と大きく相違はありませんでしたが、答弁をお伺いすると、6人の新人ではあったが、1人は現職が推す候補と、ああ、こういう視点で来るのかと少しびっくりはしましたが、その後、政策転換が図られることは当然のことであると断言したことには少し違和感が感じられましたが、今後も民意を受け止め、市政運営を推進する上では議会意思があるプロセスは避けては通れないことを肝に銘じていただき、政策転換を図られることを申し添えておきます。また、昨日の上條俊道議員のもう一つの民意についても、ぜひわきまえていただく姿勢もご期待申し上げます。 さて、復旧の考え方についてでありますが、私が通告してから市長と担当部局との事前打合せ、対策庁議においても、市長自ら方向性を出すため、もう少し考える時間をいただきたいと連絡をいただきました。私は、これは全面復旧かと思い込み、この勇気ある決断は、今後、臥雲市長が4年間、市政運営を進めていく上での覚悟を感じたと称賛した原稿も準備したところでありますが、答弁は確かにゼロ回答ではありませんでしたが、受付窓口のない出入口の1か所の復旧とのことで、私が期待した答弁ではありませんでしたので、少し残念さを覚えました。なぜかといいますと、私は、全復旧の答弁を引き出すため、部長への確認、停止に至った理由、民意、議会意思、そして多事争論まで用い、復旧に向け答弁をしやすくするための質問構成をしたつもりですが、意は通じませんでした。 しかし、この議論はこのまま進めても市民益になるかとはかりにかけますと、市長、執行機関、議会との審議、協議上のプロセスであり、市民には見えにくい部分でありますので、市長が議会意思、議会軽視について重く受け止めるのであれば、市政運営に取り組む姿勢を確認させていただき、その後、私の胸に収めさせていただきたいと思います。ぜひとも最後、議会意思、議会軽視の関係についてお言葉を賜れば、私の今、胸に収めたことが多くの議員の中にも少しは通じるんではないかと考えております。 前回市長選後4年間の浪人時代から学んだ事案を市政運営に生かすことは否定するものではありませんが、地方自治体には二元代表制の下、市政運営をチェックする議会があり、市長には絶対的な権限があり、ある意味、大統領制とも言われる執行権も認められている市政運営がありますので、制度を活用していただき、検証すべきは検証いただき、変革すべきは大胆に変革いただき、くれぐれもボタンの掛け違いのないよう願うものであります。また、偶然ではありますが、議長経験者が苦言を申し上げてきましたが、政治は結果です。ぜひ苦言がエールとなるような取組を期待したいと思います。 最後にどう理解、解釈していただいても結構ですので、私の言葉を残し、質問の全てを終わらせていただきます。 今後、防犯カメラの復旧、新設の折には、議会棟をお忘れなく。ご清聴ありがとうございました。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) 犬飼議員のご質問にお答えいたします。 今回ご指摘のあった防犯カメラの問題、そしてさきに方針を変更した松枯れ対策の問題、この2つの問題をめぐって犬飼議員をはじめ議会の皆様と、この2か月余り議論を、あるいは苦言をいただく中で、私なりに脳裏に刻んだこともございます。それは、今、犬飼議員がご指摘になったように議会意思、私が選挙で掲げて実現を目指す公約とは必ずしも一致しない、これまで積み上げられてきた議会意思、それと向き合ってこれから市政運営、政策転換を行っていかなければいけないことの難しさと、そして大切さを肝に銘じてまいりたいというふうに思います。そして、是は是、非は非という姿勢で常に私の市政運営に臨んでいただいて、私自身は先ほどいただいた政治は結果である、その責任を常に感じながら、皆さんとの議論や職員との政策決定や市民の皆さんとのまちづくりに取り組んでまいりたいというふうに思います。様々な厳しい指摘、ありがとうございました。 ○議長(村上幸雄) 以上で犬飼信雄議員の質問は終結いたします。犬飼議員は自席へお戻りください。 昼食のため暫時休憩といたします。 再開は午後1時10分といたします。                             午前11時44分休憩                             ----------                              午後1時10分再開 ○議長(村上幸雄) 休憩前に引き続き会議を開きます。 市政一般に対する質問を続行いたします。 3番 上條一正議員の質問を行います。上條議員は質問者待機席へ移動してください。 3番 上條一正議員。 ◆3番(上條一正) 〔登壇〕 無所属の上條一正でございます。通告に従い、一括にて質問いたします。 臥雲市長におかれましては、この3月、激選の市長選を勝ち抜かれて当選されたこと、改めてお祝いを申し上げます。市長とは、よりよい松本をつくるために生産性のある議論を重ねていきたいと思います。 本論に入る前に、今年度は基本構想2020最終年度でございます。市長交代とともに、現在の総合計画はどこかに置き去られている印象があるのは私だけでしょうか。特に本市の将来都市像とした「健康寿命延伸都市・松本」は、施策遂行者である市長をはじめ職員からその言葉すら聞かれない。多くの市民、市職員から、市の文書及び封書の健康寿命延伸都市・松本のロゴマークが消され、都市宣言しているピンバッジを全職員が外していることに違和感と戸惑いの声が聞かれます。新市長が誕生し、市長公約に向けた取組に傾注することは理解できますが、執行している予算は現総合計画に基づいていること、市政の継続の視点も含めても首をかしげたくなります。ピンバッジ等を外した経過と考えを含め、見解をお伺いいたします。 それでは、本論に入ります。 次期基本構想2030策定準備は、令和元年に取組を開始し、臥雲市政に転換した本年5月25日総務委員協議会で、策定状況と市長公約の具現化を踏まえて、職員総参加で施策立案に取り組み、市民懇談会等を通して市民の声を聴き、計画に反映させると報告がありました。基本構想策定は今年度内を予定し、基本計画は計画案までまとめるとしております。 そこで、今後、策定作業を本格化する上で何点か確認をいたします。 まず、基本構想の策定方法に関しお聞きしたいと思います。昨年10月23日総務委員協議会、これは前市長時でございますが--で報告、承認された策定に向けた基本的考え方及び策定方法、市民満足度調査結果等を活用した科学的根拠に基づく政策立案としていますが、変更がないと考えてよいか。 次に、本議会冒頭で松本城南・西外堀復元への強い思いを述べられた上で、松本城周辺を世界水準の歴史観光エリアに整備したい考えを改めて述べられました。先般の新聞報道では、その考えを基本構想に位置づけたいと答えられていましたが、将来の都市像としてその方向で進める考えるでしょうか。 2点目、将来都市像と都市計画の関係についてお伺いいたします。仮に松本城周辺を歴史観光エリアに形づくるとすれば、その関係において市役所新庁舎の建設が密接に関わってくると考えられます。市庁舎の根本的な見直しについては、昨日、市長から一定の基本的なお考えを伺いましたが、今後、新たな市役所の姿を市民、議会へ示すとされていますので、ここでは議論の対象としませんが、今後の議論の前提になると考えられるため都市計画上の整合に関してお伺いをいたします。 5月28日建設環境委員協議会、建設部概要説明で都市機能誘導区域と市庁舎の関係の質問に対し、市は、立地適正化計画の都市機能誘導区域の中に既存の本庁舎、東庁舎があるので、当然、庁舎についてはそれを維持していくべき施設であろう。当然あったほうがいいということで計画の中に位置づけている。いろいろな場面で変わってくるとすれば、庁舎のことですが、松本市都市全体の誘導区域としてどういう考え方になるかということは、当然その都度考えていかなければいけないと思っている。現状ではここに本庁機能があるので、都市機能誘導区域の中に含まれている中で計画を立ててきている、そんな理解でいていただきたいと答弁されました。松本市立地適正化計画では、都市機能誘導区域を都市計画マスタープランの都市中心拠点及び地域拠点に設定するとしており、都市中心拠点地区と地域拠点地区では、同じ都市機能誘導区域であっても、誘導する都市機能に明確な区分をしています。市の答弁は、市役所がそこにあるから都市機能誘導区域を定めたと聞き取れ、区域を定めた上で誘導する手法とは異なる手法の考えであると捉えていますが、その点についての見解を求めたいと思います。 また、市庁舎に係る議論の先には、都市中心拠点地区を変更する考えも示したとも受け取れます。それでよいのか確認いたします。 また、本市の立地適正化計画と都市計画マスタープランの関係においても、現在見直しを進めている都市計画マスタープランの変更を伴うことも必要になると考えられます。現在の都市計画マスタープランの見直しは、郊外部におけるコミュニティー維持及び産業集積を視点として、令和3年度からの計画としています。立地適正化計画の見直しが必要となれば、都市計画マスタープランも改めても見直すという考えなのかもお伺いいたします。 以上、1回目といたします。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) 上條一正議員のご質問にお答えします。 健康寿命延伸都市・松本のピンバッジについてのお尋ねがございました。 健康寿命延伸都市・松本のピンバッジ、このご質問をいただくまでは、私は、あまり意識をしておりませんでした。松本市の記章は、事務方からも頂きましたけれども、私の手元にこのピンバッジは届けられておりません。また、聞くところによりますと、この基本構想2020が策定される前に作られたピンバッジだと伺いました。そうした中で、職員が現在外していることにつきまして、私から何か指示をしたことはもちろんありませんし、職員の判断で現状のような姿になっているというふうに考えております。 また、基本構想2030の策定に当たってのどのような方法を取るかというご質問でございました。これまでの市民満足度調査や市民意識調査などの市民の意見や、各種の統計データの分析などを活用するということ、そうしたこれまでの手法に変更はございません。直面する市政の課題や市民ニーズを客観的に捉えて、政策の立案を進めてまいります。 もう一つ、松本城周辺を世界水準の歴史観光エリアとして整備するというふうに私が申し上げてきたことについてでありますけれども、これは、基本構想2030の将来の都市像に位置づけるという全体のことを私としては申し上げているつもりではありません。あくまで松本城を中心とした三の丸地区、このエリアについて歴史観光エリア、世界水準のレベルに引き上げていこうという、そういう考えでございます。全体としての将来の都市像につきましては、この後、基本構想2030の策定過程の中で市民の皆さんとともに築き上げていくものだと考えております。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 上條建設部長。 ◎建設部長(上條裕久) 私からは、市役所庁舎と都市計画についてのご質問にお答えをいたします。 平成29年3月に策定いたしました松本市立地適正化計画では、市役所のみならず商業や医療などの高次の都市施設が集積し、鉄道やバスでもアクセスしやすく、多くの市民や来街者などが集まる範囲を、都市機能誘導区域として松本市内に8か所を定めました。そのうち松本城、あがたの森、松本駅を中心とする344ヘクタールは、様々な都市施設が集積し、商圏人口60万人を超える中南信地域の経済、文化の中心地でもあることから、松本市都市圏全体の核となる都市中心拠点として設定したものです。市役所本庁舎は、この区域内に現在立地している都市機能を担う施設の一つとして位置づけたものであり、本庁舎が立地しているから都市機能誘導区域を設定したものではございません。 このようなことから、市役所庁舎は都市機能誘導区域を決定する条件ではなく、新庁舎の立地場所により都市中心拠点の位置を変更することは考えていません。また、現在、見直しを進めている松本市都市計画マスタープランを改定した後に、新庁舎の位置が決定した場合、庁舎の立地に関して松本市立地適正化計画や松本市都市計画マスタープランと整合を図る必要が生じたときは、改めてその見直しを検討してまいります。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 上條一正議員。 ◆3番(上條一正) 〔登壇〕 それぞれお答えいただきました。ありがとうございます。 立地適正化計画及び都市計画マスタープランの見直しの見解については、今回はお聞きしたにとどめておきたいと思います。 ピンバッジやロゴマークの使用等について、市長から職員に指示をしたことがないということですので、職員が忖度したと受け止めますが、理事者の皆さんにおかれては、昨日、市長が答弁された、職員との信頼関係が市政運営上、重要であるとのお考えの下、戸惑いを感じている職員がいることを承知しておいていただきたいと思います。 それでは、2回目は、基本構想の策定と議決要件について伺いたいと思います。 平成23年、地方自治法改正で基本構想の策定及び議決義務が廃止されました。一部自治体で策定していない実態はありますが、本市では地方自治法改正後の本市市議会本会議で改正に対する市の考えの質問に対し、条例化に慎重の姿勢を見せていましたが、その後、議会側が政策部会で議論を重ね、平成28年3月、議員提案として基本構想策定関係等の議決事件を定める条例を制定しました。その3年後、平成31年3月には、市側の提案により基本構想の策定に関する条例を制定いたしました。議会側の議決を必要とする声に呼応して、市が策定及び議決要件を定めた形となっています。 現在の行政システムは、この基本構想を頂点とした政策推進システムの上に成り立つように設計されています。基本構想、基本計画、実施計画の3段階によるシステムは、昭和44年、地方自治法改正により、基本構想の策定の義務づけと基本構想の策定要領が法に基づき通知され、多くの自治体が要領等に沿って策定しています。現在までの経過から見れば、議会及び理事者、共に市政運営の基本的な指針となる基本構想は、地方自治法改正以前と同様に策定及び議決していくとの考えですが、静から動へと市政運営のかじを大きく切ろうとし、行政システムを変えたいと公言している市長にとって、従来の市政運営と同じ計画策定手法及びシステムで進めることとしている理由は何でしょうか。策定及び議決要件を定めた条例があることが理由でしょうか。市長は、任期を最長8年と発言していますが、基本構想2030は10年を単位としています。大胆な思考で条例の改正も視野に入れれば、市長任期でやり切る計画策定方式も選択できるのではないでしょうか。従来の基本構想以下の3段階方式を見直した政策推進システムを構築し、その中に議決要件を組み込むなど、議会と協調した新しい仕組みの活用を検討しなかったのでしょうか。今後、検討し直す考えはないのでしょうか。 以上、2回目の質問といたします。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) 上條議員の質問にお答えします。 まず、職員がピンバッジを外したことが、私への忖度ではないかというご指摘がございました。その側面があったとすれば遺憾でございますし、また一方で、ピンバッジを着けていたことももしかしたら忖度ではないかとも言えると思います。いずれにいたしましても、そうしたことが職員への何か強制やそういうことにならないように、私としても意識をしてまいりたいというふうに思います。 その上で、基本構想についてでございますけれども、条例を制定して、引き続き議会の議決を経た上で基本構想を策定することにいたしているわけでありますが、今回、就任から2か月あまりの中で、今、上條議員からご指摘いただいた、この基本構想、基本計画、実施計画の3段階方式について、私自身、非常に掘り下げて、この在り方を見直そう、あるいは考えようというところまで正直言って至っておりません。そうした中で、まずはこの基本構想、来年度からの10年の在り方というものを考えてみようということで、今検討には着手をしております。そして、この中長期の目標を定めるということ自体に意味がないとは思っておりませんので、この継承すべきは継承して、変革すべきは大胆に変革するという基本姿勢の下で、この来年度からの10年間の基本構想というものを考えてまいりたいというふうに思っております。 具体的には、市民による検討会議の設置と運営に私自らしっかりと関与をすること、そして、そこでは各界の代表から意見を聴くということで、そうしたことにしっかり重きを置いて、これまでの計画の構成や政策の体系にあまり捉われ過ぎることなく、市民の誰もが幅広く中身を共有できる、分かりやすい内容にしてまいりたいと考えております。 その期間につきまして、市長の任期に合わせるということを考えなかったのかというご指摘につきましては、やはり10年というのは一つの区切り、一般の市民の方々にとっても期間をイメージしやすいということで、一つのめどとして捉えさせていただいております。 最後に、先ほどございました、この3段階方式の見直し、直ちにということではないかもしれませんが、私、市長に就任して様々な分野における長期計画というものが非常に重複していたり、果たして本当に実質的なものかということについては、今、職員と議論もしているところでございます。ご指摘の再検討ということにつきましても、念頭には置いておきたいというふうに思っております。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 上條一正議員。 ◆3番(上條一正) 〔登壇〕 市長にはご丁寧な答弁、ありがとうございました。 それを踏まえて、基本構想の10年の計画期間と策定内容は従来どおりであると、基本だという考えでした。そもそも地方自治法の改正は、都市像の基本目標を定めている固定観念的な計画策定から、住民本位の計画策定への転換であり、地方自治体の自主的な判断が生かされる計画に生まれ変わることを求められていると、そういうふうに捉えております。その視点から、先ほどの答弁は計画策定に携わる職員に柔軟性が失われているのか、静から動への臥雲市長にはあまりに似合わないお考えと改めて思いました。時間はあります。柔軟な発想で、計画策定の取組の考えについて改めてお伺いをしたいと思います。 松本城周辺を国際観光都市松本、歴史観光ゾーンとして位置づけ、整備を進める構想は、政策の柱の一つであるとされましたので、本件については要望を申し上げます。 新型コロナウイルス感染症の影響を受けた観光地の実態を見れば、アフターコロナの視点で捉えても、観光ゾーンだけでは生き延びられないし、経済は回らないのは明らかです。市長は、テレビ番組でこの点に触れ、観光ビジョンのインバウンド重視を軌道修正する必要があると、こう発言され、新型コロナウイルス感染症を教訓とした政策を進められると受け止めました。私の下には、中心市街地で営業している多くの市民の方から、松本城を中心とした中心市街地は日常の空間にしてほしい、イベントやインバウンドに頼り過ぎない、内需を基にした強い日常空間にしてほしいという声をいただいております。 私は、これまで進めてきた松本城を中心としたまちづくりの検証を行い、ブラッシュアップした生活空間がそこにあることを基本に、様々な都市機能が集まった上で、多くの方々が訪れたくなる松本城周辺の整備が望ましいと考えております。その視点で、計画立案を進めていただきたいと強く要望いたします。また、今回の質問と答弁を今後の基本構想等の策定、新庁舎建設の見直し議論等の中で深めていきたいことを申し述べ、質問を終わりといたします。ありがとうございました。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) 基本構想2030につきまして、地方自治体の自主的判断でしっかりと作成されたものにというご指摘がございました。名称として取りあえず、今、基本構想と呼んでおりますが、この内容、そして市民の皆さんに分かりやすく知っていただき共有していただくための体裁や方法、そうしたものについて、まとめるときには上條議員がご指摘になったように、従来の形式とは違った新しいものとしてお示しできるように検討を進めたいというふうに思います。 また、松本城周辺のエリアについての考え方でございますけれども、観光という言葉がともすれば旧来のイメージを引きずり過ぎているのかもしれません。ご指摘があったように、私も、松本市民にとって非常に魅力的な日常空間であるということが大前提であって、その上での内外からの人を引きつける、そういうエリア、場所になっていかなければいけないというふうに思っておりますので、ぜひともそのように取り組んでまいりたいと思います。 ○議長(村上幸雄) 以上で上條一正議員の質問は終結いたします。上條議員は自席へお戻りください。 次に、2番 横内裕治議員の質問を行います。横内議員は質問者待機席へ移動してください。 2番 横内裕治議員。 ◆2番(横内裕治) 〔登壇〕 無所属グループ未来の横内裕治でございます。発言の機会をいただきました。田口輝子議員とともに、通告に従いまして一括で質問させていただきます。 新型コロナウイルス感染症に対する取組、理事者をはじめ多くの方がご苦労されていることに敬意と感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございます。 5月25日に、緊急事態宣言はおよそ1か月半ぶりに全国全ての都道府県で解除になりましたが、まだまだ油断ができない状況が続いていますし、ある意味、これからの対応が大変重要になるのではないかと考えます。こんなときだからこそ、松本に住んでよかったと実感できる市政をぜひ臥雲市長には進めていただきたいと思います。 さて、最初に、市長の労働行政に対する見解をお聞きします。働く者の犠牲の上には、本当によい社会はできないし、発展もない。住みよい松本をつくるためには、みんなが生きがいを持って安心して暮らせる松本市にならなくてはならないと考えます。松本市は、これまで勤労者の暮らしを守る労働行政を市政の重要課題と位置づけ、国や県のみに依存することなく、独自の積極的な施策が必要との基本理念で施策を進めてきたと言えます。具体的には、県松本勤労者福祉センター、現在の松本市勤労者福祉センターですが--の開設と同時に労政課を発足させ、労働団体への支援、未組織中小企業労働者の諸権利の擁護、福祉向上などに取り組んできました。また、一般財団法人松本市勤労者共済会の前身である松本市勤労者互助会を設立し、この間、共済事業や中小・零細事業所の退職金制度の整備拡充など、様々な取組を行っております。県下で労政課といった労働行政の専門の窓口を置いているのは松本市だけです。このように松本市は、労働行政を地方自治体固有の事務と位置づけ、積極的に施策を展開してきております。また、この間、松本地区労働者福祉協議会と連携し、勤労者の福祉事業の推進や労働団体との懇談会などを開催し、働く者の声を市政に反映する取組を行ってきていただいております。 そこで、臥雲市長は、労働行政を市政の中でどのように位置づけ、取り組んでいくお考えかお伺いします。 また、これまで行ってきた松本地区労働者福祉協議会との連携強化や労働団体との懇談会などの取組に対するお考えをお伺いいたします。 次に、新型コロナウイルスの感染症対策による市内の勤労者の状況についてお聞きします。 新型コロナウイルス感染症対策により、雇用情勢が厳しさを増しています。新聞報道によると厚生労働省は、新型コロナウイルス感染拡大に関連した非正規労働者の解雇や雇い止めは、見込人数を含めて6月5日時点で全国で4,943人と発表しています。また、労働者全体の解雇、雇い止めは、2月から6月5日の集計では見込人数を含め全国で2万933人で、長野県は東京都、大阪府、北海道、兵庫県、神奈川県に次いで655人とのことでした。松本地区でも新型コロナウイルス感染症対策による影響が雇用状況に大きく出ていると思いますが、失業手当の申請者数、派遣・非正規労働者の解雇、雇い止めの状況について、分かる範囲で結構ですのでお聞きします。 以上で1回目の質問といたします。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) 横内議員の労働行政に対する見解についてのご質問にお答えいたします。 労働行政は、働く環境の整備、男女の均等な雇用機会の確保など、働く希望を支える分野でありますけれども、国や県の施策にとどまらず自治体固有の取組が重要になると考えます。松本市におきましては、労働組合が未組織の労働者や中小企業労働者に対象の重点を置いて、早くから勤労者福祉にも取り組まれてきた経緯があり、今後も継続した取組が必要だと考えます。具体的には、労働相談の強化、ワーク・ライフ・バランスの推進、さらに今回の新型コロナウイルス感染症で表面化した多様な働き方への変革についての取組も強化していきたいと思います。その上で、松本地区労働者福祉協議会との連携強化や労働団体との懇談会などにつきましては、継承してまいりたいと考えています。私自身が市政に対する声を直接お聞きをして、お互いに課題を共有して、それぞれの立場から意見交換が行われることを期待しています。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 小原商工観光部長。 ◎商工観光部長(小原直樹) 私からは、失業者の状況についてのご質問にお答えします。 初めに、失業手当の申請者数ですが、5月29日に松本公共職業安定所が公表した4月に離職票を提出し、受給資格の決定を受けた件数でございますが、こちらが697件で、前年同月比32.3%の増となっています。 次に、派遣・非正規労働者の解雇の状況でございますが、公共職業安定所の離職に係る統計では、雇用形態別また退職事由別といった集計は行われていませんので、派遣・非正規労働者の解雇としての数字は把握をしておりませんが、参考までに雇用形態を問わない事業主都合による離職者、言い換えますと、自己都合によらない離職者数について申し上げます。松本公共職業安定所管内における自己都合によらない4月の1か月間の離職者数は210人で、前年同月比で125.8%の増でございました。前月、3月の離職者数が72人、前年同月比で5.3%の減であったことを考えますと、新型コロナウイルスの影響が4月に入って顕著に現れたものと考えます。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 横内議員。 ◆2番(横内裕治) 〔登壇〕 ありがとうございました。それぞれ回答をいただきました。 市長からは、労働行政は国・県の施策にとどまらず、自治体固有の取組が重要であり、今後も継続した取組が必要と考えているとの回答をいただきました。また、具体的には労働相談の強化、ライフ・ワーク・バランスの推進、そして多様な働き方への改革などの考えが示されました。特に労働行政の取組として、松本地区労働者福祉協議会との連携強化、労働団体との懇談の継承などの考えを示していただきました。ありがとうございます。ぜひ継続して進めていただき、労働者福祉の向上や働く者の声を市政に反映していただきたいと思います。 そこで要望ですが、現在、労政課が松本市勤労者福祉センターの中にあり、一方、多くの労働団体の事務所が同じ敷地にある松本市勤労会館内にあります。労働行政を進める上で大変によい環境にあると考えます。今回、新型コロナウイルス対策で職場が休業になったり、賃金が下がったり、場合によっては解雇になったり、会社が倒産したりと、働く者が不安な状況に置かれておりますが、私の知る組合でも事業縮小で解雇が提案されている企業もあります。そのような中で、各労働組合は電話相談をはじめ労働勤労者の相談窓口の取組を実施しております。中には、中小企業の事業者からの相談もあるとのことです。市民から行政へ直接雇用の相談もあるとは思いますが、幅広く勤労者の置かれている状況を把握し、情報を共有化し、政策や救済などの対応を進める上で労働団体との連携は大変重要だと考えます。このことは、現在のコロナ禍に限らず、多様な面で有用だと言えます。そこで要望ですが、労働者福祉協議会との連携強化、労働団体との懇談の継続にとどまらず、その窓口となる労政課の体制強化を図っていただきたいと思います。これは要望です。よろしくお願いいたします。 次に、緊急事態宣言解除後の雇用、労働相談の強化について伺います。 松本地区の雇用情勢については、今、回答をいただきました。5月29日発表ですが、松本公共職業安定所の発表で、4月に失業手当の申請をし、受給を受けた人の件数は697件で、昨年同月比32.3%増加しているとのことでした。また、派遣・非正規労働者の数は把握できませんけれども、事業主都合による離職者数は、3月が前年同月比で5.3%減であったのに対し、4月は前年同月比で125.8%の増とのことです。4月に入ってから離職者数が前年同月比で2倍以上になっていることは、新型コロナウイルス感染症対策の影響が働く者の雇用状況に大きく現れていると言えます。大変厳しい状況が分かりました。 現在は特別定額給付金や雇用調整助成金などがあり、どうにか生活を維持している方も少なからずいらっしゃると思います。しかし、今後、この状況が続くなら、小林議員からも指摘がありましたけれども、これからますます厳しい状況が予想されます。特に非正規労働者や派遣労働者の雇用は心配なところです。緊急事態宣言は解除されましたが、経済が元に戻ったわけでもなく、以前と同様、困難な生活の状況が続く中、雇用対策や労働相談体制が重要になってくると言えます。この間、新型コロナウイルス対策で総合相談窓口を設置したり、給付金などの相談窓口を設置し、多くの市民からの問合せに対応したと思います。このことにより、不安を感じている多くの市民が助かったと思います。 市としての緊急事態宣言解除後の雇用対策と労働相談体制の充実について、どのようにお考えになっているかお聞かせください。 以上、2回目の質問といたします。 ○議長(村上幸雄) 小原商工観光部長。 ◎商工観光部長(小原直樹) お答えいたします。 雇用対策につきましては、雇用の維持、また再就職の支援、職業能力開発などが考えられますが、これは国が主体となり実施していくものと考えております。松本市におきましては、消費拡大につながる施策を進めて、雇用情勢の改善を図ってまいりたいと考えています。また、相談体制の充実につきましては、これまで松本市が実施してきています職業・労働相談などの相談事業に加え、今年3月19日に松本市、長野労働局、松本公共職業安定所で締結をいたしました松本地域における雇用対策の充実強化等に係る協定を基に、三者で連携して相談体制の充実を図ってまいります。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 横内議員。 ◆2番(横内裕治) 〔登壇〕 回答をいただきました。3回目は要望とします。 雇用対策として消費拡大につながる施策など、雇用情勢の改善を図っていくとの回答をいただきました。今回、ほかの多くの議員からも要望が出されていると思いますけれども、市としても、できる限りの経済対策をしていただきたいと私からも要望したいと思います。 また、労働相談体制について、長野労働局、松本公共職業安定所と締結している雇用対策協定を活用していくとの回答をいただきました。調べたところ、長野労働局は県とはこのような協定を結んでいるそうですが、市町村とこのような協定を結ぶのは本市が初めてとのことです。他市にない協定です。ぜひ有効に活用していただきたいと思います。労働者福祉団体や労働団体との連携も図りながら相談体制を強化し、困難に直面している勤労者への支援をぜひお願いいたします。 今後、新型コロナウイルス感染症の第二波、第三波の可能性があることなどから、労働相談や生活相談が急増することが考えられます。リーマンショックのときも、相談が急増したのはリーマンショックが起こってから数か月たってからでした。当時、相談窓口はとても大変な状況に置かれました。そうならないために、対応できる人員配置が必要であると言えます。相談窓口がパンクしては、相談を受けることができません。ぜひそのようなことが起きないよう対応をお願いし、私の質問の全てを終わりにします。ありがとうございました。 ○議長(村上幸雄) 以上で横内裕治議員の質問は終結いたします。横内議員は自席へお戻りください。 次に、20番 田口輝子議員の質問を行います。田口議員は質問者待機席へ移動してください。 20番 田口輝子議員。 ◆20番(田口輝子) 〔登壇〕 臥雲市長への初めての質問の機会をいただきました。無所属グループ未来として、横内議員に続いて質問させていただきます。今回は時間に制約もあり、質問も一括質問ということで通告に従って質問をいたします。 松本市の子どもの権利条例についてなど3点について、市長の子供施策についてのお考えをお伺いいたします。 私は、議員になる前、40年間にわたり保育士として保育の現場で、子供たちや子育て中のお母さん、お父さん方と関わってきました。そんな中で感動したり、涙したり、笑ったり、未来を担う子供さんたちの成長の身近にいることができたこと、何よりも楽しくありがたい時間でした。私が議員になって2年目の年に、松本市子どもの権利に関する条例が審議されました。教育民生委員会を中心に深い議論がなされ、全国でもまだ条例が制定されているところが少ない中で、長野県の市町村の中で初めて制定をされました。日本の国として国連でこの条約を批准したのは、1989年に国連総会で採択されてから5年後の1994年です。今25年が過ぎましたが、まだまだ全国的には取組はこれからです。しかし、松本市の子供たちは、大人たちがしっかり子供たちを守り、大切にするというメッセージをこの条例から受け取っています。この子どもの権利に関する条例は、子供施策の基本理念となります。 1点目の質問として、この条例に対する市長の見解をお伺いいたします。 市長の公約の中で、子供の権利に触れられていなかったのでお伺いしたいというふうに思います。 2点目として、第2次松本市子どもにやさしいまちづくり推進計画について伺います。 条例を具体化するこの計画は、令和2年度から令和6年度までの計画です。私もしっかり読ませていただきましたが、今までの平成27年度からの5年間の取組の検証をし、課題を出し、次の計画を提示しています。この間、市長は市政の大きな計画の変更と提起をしていらっしゃいますが、この第2次松本市子どもにやさしいまちづくり推進計画をどう取り組まれるのか、お伺いしたいと思います。 3点目です。新型コロナウイルス感染対応による休校の子どもたちへの対応についてです。 今回、感染の拡大の中、勝野議員や澤田議員も質問されていて重なる部分があると思いますが、私なりの観点で質問をさせていただきます。今回、感染の拡大の中で小・中・高が一斉の休校となりました。特に新学期の始まる切替えの時期で、膨らんだ次の世界への夢が潰されていくような感覚でしょう。子供たちの成長と暮らしの中で、学校がどんなに大きな存在か実感する時間でもありました。生活の中での当たり前の日常、規則正しい時間の流れ、友達、先生方など人と人とのつながり、学ぶということ、給食による安心・安全な食事など、子供の成長を守る基本がそこにはあると思います。それが突然休校となり、この間、子供たちは不安だったでしょう。今までに体験したことのない時間に戸惑った子供たち、家庭が多くあったと思います。 私も、数十名のお母さん方、お父さん方に様子をお聞きしました。その中で多くの方が不安に思っていたことは、家庭での対応の仕方、在り方で、子供たちのこれからの学校生活に差が出てしまうのではという声でした。家や塾でしっかり子供の勉強を見てあげられたり、インターネット環境が整えられていたり、親がしっかりそばにいることができたりなどの、それぞれの家庭の状況に差があることへの不安でした。父母の方から、この間、学校とのつながりが切れてしまった。先生の連絡や家庭訪問も中止になり、不安をどこに伝えたらいいか苦しい状況といった声もいただきました。また、今、子供の貧困、虐待、いじめ、また日本語を母国語としない子供さんたちも含め、困難を抱えた子供さんたちの状況が見えてきています。突然の休校という事態の中で、学校としてそんな一人一人の子供さんにどんな取組、対応をしてきたのかお伺いしたいと思います。 以上、3点について1回目との質問といたします。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) 子どもの権利に関するご質問にお答えします。 初めに、松本市子どもの権利に関する条例ですが、40年間保育士を務めてこられました田口議員の強い思いをお聞かせいただきました。この子どもの権利条約につきましては、先ほどご説明ありましたように、31年前に国連で採択された後に日本も批准し、広まってきてはいますけれども、条例まで制定している自治体は現在48、全自治体の3%弱にとどまっています。そうした中で、松本市に対しましては、全国からも視察が多いと聞いております。この松本市の条例が特に評価される内容の一つとして、子供への権利侵害を救済する相談室であるこころの鈴を設置しているということがあります。直接子供たちからの相談を受け付け、子どもの権利擁護委員による助言や救済を行う仕組みは、理念だけの条例ではなく実体を伴うものであることを表しています。 また、2つ目といたしまして、子供の立場からの意見表明の機会を保障する、まつもと子ども未来委員会の活動がございます。これは、私が目指す教育の姿として、自ら問いを立て、判断し、行動できる、そうした人材を松本で育てていきたいということとも合致するものであります。公約に掲げたSDGsの推進、誰も置き去りにしないという思いは、この子どもの権利に関する条例の基本理念に通じるものでありまして、子供施策の基本と据えて取り組んでまいります。 次に、第2次松本市子どもにやさしいまちづくり推進計画についてお答えいたします。 子どもの権利に関する条例に基づいたこの計画につきましては、基本的に継承すべきものと考えます。ただ、公約に盛り込んだ松本版ネウボラの充実や多様で特色ある教育といった面につきましては、さらに加えていくことが必要だとも考えておりまして、松本がこれまで以上に子育てに適したまちとなるように取り組んでまいります。 私は、子供への投資はまちの価値を決めるというふうに考えておりまして、次世代への予算を大幅に増額して、未来を担う子供たちのために取り組む考えであります。この第2次推進計画は、条例に基づいて設置された松本市子どもにやさしいまちづくり委員会が実施の状況を検証し、市議会や市民の意見も踏まえて今年3月に策定されました。これからもこの委員会からの報告や提言をいただきながら、適正な事業の推進を図ってまいります。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 赤羽教育長。 ◎教育長(赤羽郁夫) お答えをいたします。 議員ご発言のとおり、3月2日からの突然の臨時休業につきましては、必ずしも家庭との連絡等が十分でなかった点がありました。保護者の方々や子供たちの不安もさぞ大きかったことと思います。そこで、4月以降の臨時休業におきましては、子供たちと学校をつなぐ役割として、週1回の連絡袋を利用しました。ある小学校では、安心して見通しを持ち、家庭学習に取り組めるよう、学習の進度予定表を示し、同時に保護者の関わり方のヒントを伝えるプリントの配布をするなどの工夫を行いました。保護者の方からは、家庭でもやれることが分かって安心した、それぞれのプリントに狙いが書いてあるのもうれしいという声も聞かれました。 また、日記や連絡帳でのやり取りの中では、担任がその子を思い浮かべて、それぞれの子供に合わせ片隅になぞなぞなどを出して、子供たちとのつながりを大切にしたという事例もお聞きしています。さらに、各学校では、家庭の状況に応じまして1週間に一度は電話で子供たちや保護者と連絡を取り合ったり、また、希望する家庭には随時教育相談や個人懇談、家庭訪問するなどの取組を学校再開まで継続してまいりました。加えて、児童館、児童センターなどに教員が訪問し、子供たちに励ましの声がけをしたり見守ったりするなど、各学校では子供たちの状況や不安を受け止め、個々の気持ちに寄り添うよう取り組んでまいりました。 なお、計画をしていましたが中止となっております家庭訪問や参観日に替えて、夏休み中に個人懇談、保護者懇談を計画している学校もあるとお聞きしております。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 田口議員。 ◆20番(田口輝子) 〔登壇〕 それぞれに丁寧にお答えいただきました。 1点目の子どもの権利条例に対する見解、2点目の子どもにやさしいまちづくり推進計画への取組、共にこの子ども施策の土台において継続した取組を進められるということ、本当に大切なことだと思って、ありがたく思います。この間、地道に取り組んできたことが子供たちの意識に少しずつしみ込んでいって、この松本の中で安心して大人に相談でき、自分たちの声も発言すれば受け止めてもらえるといった体験をし、あなたたちはとても大切なんだ、一人一人が大事なんだという、全庁にわたる部課で子供施策に取り組んできていること、ぜひ市長の下で大きなメッセージにしていただきたいというふうに思います。 松本市子どもの権利に関する条例の前文にこう書かれています。「子どもの権利は、子どもが成長するために欠くことのできない大切なものです。日本は、世界の国々と子どもの権利に関して条約を結び、子どもがあらゆる差別を受けることなく、子どもにとって最も良いことは何かを第一に考え、安心して生き、思いや願いが尊重されるなど、子どもにとって大切な権利を保障することを約束しています。」こう書かれています。この施策の継続性の確認ができ、ますます子供施策の充実が図られればと思います。誰一人取り残さない、今、市長がおっしゃいましたけれども、誰も置き去りにしない、これは市長の公約です。困難を抱えた子供たちにこそしっかり寄り添っていただき、進めていっていただくことを要望いたします。子供施策の根本のところにこの大人たちの思いがあるということが、子供たちへの大切な力になると思います。未来を生きる子供たちのために、今できることをしっかり取り組んでいただき、条例を子供施策の基本に据えて取り組みますという市長の回答をしっかり受け止めました。1点目、2点目について了解とし、要望といたします。 3点目です。休校中の子供さんへの対応についてのお答えをいただきました。新型コロナウイルス感染対応による突然の休校で、しかも新年度との切替えの時期、身近な子供さんたちの様子を見ても、戸惑うことの多い状況でした。小学生に、1年生になった子の話ですけれども、担任の先生の顔も名前も分からないとか、中学生でも、クラス替えの学年でどんな友達が同じクラスか分からないとか、今まで経験したことのない事態でした。そんな混乱を先生方、学校としても大変なご苦労をされたことはよく分かります。後から考えれば、いろいろな課題はあると思いますが、ぜひ課題を明らかにして、この休校の間の子供たちへの不安や戸惑いをしっかり受け止めて、生かしていただきたいというふうに思います。 今もっと大きくなっているだろう不安に対して一人一人に向き合っていただいて、子供たちを支えていただきたいというふうに思います。また、父母の方が一番心配していた休校中、家庭で受け止め切れなかった学習や生活のリスクによる格差の不安に丁寧に対応していただきたい。自信を持って、いよいよ始まった学校生活に安心して向き合い、寄り添った対応をお願いいたします。 学校が始まってすぐのテストは、どきどきしたでしょう。この間の子供さんたちの気持ちを思うと、本当によく頑張ったねと言いたいです。なお、そのためにも先生方への手厚い支援、人的にも、先生方が子供たちにゆっくり向き合えるような余裕を持てるために、体制づくりが必要だと思います。ぜひ先生方へのバックアップもよろしくお願いいたします。 最後に、子供の権利相談室こころの鈴の4月、5月の相談状況をお伺いすると、延べ48件の相談があったということです。また、こども福祉課の相談のほうもしっかりと対応されていました。いろいろな場で子供たちを支えるシステムが活動している松本市です。子供の成長をまち全体で支援していければと願い、市長の施策に期待を申し上げて要望だけにして、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。 ○議長(村上幸雄) 以上で田口輝子議員の質問は終結いたします。田口議員は自席へお戻りください。 次に、8番 神津ゆかり議員の質問を行います。神津議員は質問者待機席へ移動してください。 8番 神津ゆかり議員。 ◆8番(神津ゆかり) 〔登壇〕 無所属の神津ゆかりです。臥雲市長とは初めての一般質問となります。どうぞよろしくお願いいたします。 通告に従い、一括で質問させていただきます。 まず、冒頭、新型コロナウイルス対策にご尽力いただいている松本市立病院の皆様をはじめ、市職員の皆様に心より敬意と感謝を申し上げます。 それでは、質問に入らせていただきます。 松枯れ対策、薬剤空中散布について、市長は5月議会で、1年ないし2年遅らせる効果にとどまると言わざるを得ない、健康被害が科学的な立証に至らない段階でも、慎重に対処する必要があると、薬剤の危険性についても触れ、何かあってからでは遅いという予防原則に立った賢明なご判断をされました。これは、多くの市民が望んできたことであり、ようやく建設的で前向きな松枯れ対策の議論が始まると期待しているところです。市長は、就任して早い段階で松くい虫被害対策に係る市民アンケートを実施されました。新型コロナウイルスの緊急事態宣言下の中、2週間という短い期間にも関わらず1,367名の回答がありました。松本を二分する議論である薬剤散布の賛否について、市に意見を言えるチャンスと捉えた市民が多かったのだと思います。 本日は、議長にお許しをいただき、参考資料を配布させていただきました。お手元の参考資料①をご覧ください。 一番下の円グラフは、賛成、反対それぞれの理由が書いてあります。右上には、賛成、反対の回答数が載っております。賛成、反対拮抗しているという結果が出ました。この円グラフですが、賛成、反対の理由が書いてあります。円グラフになると、大変あっさりしたものになってしまいますが、私は、市民の皆さんがどのような理由で賛成、反対なのか、実際に寄せられた自由記述の意見を読ませていただきました。賛成の方も反対の方も、松枯れを何とかしたいという熱い気持ちで、お一人お一人の言葉で意見を寄せてくださったことが分かりました。 しかし、残念ながら、中には薬剤散布に対して過度な期待をお持ちの方も見受けられました。薬剤散布は、松枯れの特効薬ではなく、ワクチンでもない。枯れが進むのを多少遅らせる程度の効果でしかなく、市民の皆さんが心配することの解決策ではないのです。でも、このような意見が多いのも仕方がありません。なぜなら、これまで市は、薬剤散布には効果があるとして、結果、薬剤散布有効神話を広めてしまったからです。 そして、結果はどうか。お手元の参考資料②をご覧ください。 四賀地区枯損木調査のグラフです。薬剤散布を始めて7年たって、守るべき松林を守れていないことが一目瞭然です。松枯れを封じ込めできていないのです。 さて、昨日の信濃毎日新聞1面には、諏訪のメガソーラー計画撤退検討とイージス・アショア配備計画が停止というような記事が載りました。一度計画されたビッグプロジェクトが中止されるのは、極めて珍しいことです。反対する住民の声が大きく上がり、事を動かしたものです。 一方、市も議会も、薬剤散布の効果と安全性が問題視されていることを承知しながら、真正面に向き合ってこなかったと市民から批判する声も聞こえてきます。アンケートに寄せられた一つのご意見、大変重要なご指摘だと思いますので、読み上げさせていただきます。 私は、空中散布推進派でしたが、周りの推進派の人々の空中散布の効能への妄信的な雰囲気を感じ、事態を俯瞰して見ることにしました。そこで感じたのは、松に対する年配の方々の思いの大きさのゆえに、松枯れに対して我々が対抗するのだというような、自然に対する私たちの人間の処置の当然さを信じ込んでいるということ、そして空中散布は有効だと思い込もうとする傾向があるということ。私も、郷土の長らく共に愛してきた松が瞬く間に倒れていくのは忍びないですが、そういった看過できない風潮の中で生まれた施策はどこか妄信的な部分があり、空中散布を行うには協議がなされていないと思います。この方は、四賀の方だそうです。 計画が一度進めば後には戻れないということはありません。計画の有効性、実効性を丁寧に確認、検証し、何か問題があれば調査し、柔軟に対応する。時には勇気ある撤退が市民益にかなうこともあるはずです。市には、そのように市政運営していっていただくことを要望いたします。 さて、自由記述の意見、市長は全てに目を通されたと伺いました。どのような感想を持ったかお聞かせください。また、この意見を分析し、今後の松枯れ対策に生かすお考えはあるのでしょうか。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) 神津議員の質問にお答えいたします。 今回の松枯れ対策に対するアンケートは、先ほどもご指摘ありましたように、期間が2週間という短い期間でありましたけれども、1,400人近い方から回答をいただきました。 そこで、私が感じたのは、二極化と共通化といいますか、賛成、反対が大きく割れている一方で、賛成をする方も反対をする方も、本当に必要なら実施してほしいが、不安がないわけではない、あるいは、効果が十分出ていないのではないかという、そうした揺らぐお気持ちといいますか、現状に対して決して満足しているわけではないというお答えが多かったことでありました。 賛成の意見、反対の意見よりも、どちらとも言えないという方のご意見で、そうした方々が記述されることに、実は私が感じている気持ちと一番近いところがあるのかもしれないというふうに思った次第です。ですから、今回のこのアンケートにつきましては、既に松枯れが進んでいることに大勢の松本市民が認識と危機感を持っていること、そして、やはりこの先のことをしっかりと専門的知見を踏まえて対応してほしいということが私は強く感じられたことであります。 ですので、この一つ一つのどの意見をということではありませんけれども、このアンケートに記された賛成と答えた方、反対と答えた方の大きな意思といいますか、お気持ちをしっかりと踏まえて今後の松枯れ対策に臨んでいきたいというふうに考えております。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 神津議員。 ◆8番(神津ゆかり) 〔登壇〕 ありがとうございました。 揺らぐ気持ち、松枯れの危機的な認識の共有化というところが大事かなと思いました。意見を分析して住民ニーズを把握し、正しい情報を市民にきちっと伝えるところから始めていただきたい。市長が5月27日の議員協議会で説明されたように丁寧に説明をし、疑問や質問に答えていけば正しい情報は伝わっていきます。そのためにはホームページの改訂も必要かと思います。こちらは要望しておきます。 また、松枯れ蔓延防止のために、被害木やライフラインの危険木を早期発見し、早期処理していく必要があると思います。道路損傷等通報アプリ「なおして!アルプちゃん」を活用できないでしょうか、検討を要望します。 続きまして、市長公約について伺います。 市長は公約で、未来にわたって命とみどりと健康を守る、森林や里山が備えるCO2吸収力や保水力を高めるため、森林の保全と整備に取り組み、山と繋がるライフスタイルを広げます。また、環境と気候変動に適応するため、太陽光・小水力・バイオマスを活用した「分散型再生可能エネルギー発電」の普及を推進しますとあります。森林にまつわるこの2つの公約について、市政にどう取り入れていくのか、具体的に何かお考えがあるのか、市長の説明をお願いいたします。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) まず、森林や里山が備えるCO2吸収力や保水力を高めるため、森林の保全と整備に取り組み、山と繋がるライフスタイルを広げますと、こう掲げさせていただきましたことについて申し上げます。 今回の松枯れ問題をめぐっても明らかになったように、現在、松本市をはじめ日本全国では地球温暖化やそれに起因する異常気象、木材需要の変化による林業の衰退なども重なって、森林は残念ながら本来持っている機能を棄損しつつあると考えます。そこで森林そのもの、林業関係者の双方に活気を与える施策をどう実施していくのかということが私の大きな関心事でございます。今回の松枯れ対策と、その先の森林再生を専門家の皆さんや市民、議会の皆さんと共に考えていくプロセスが、今後そうした里山や森林にふだんから親しみ、触れ合う環境づくりにつながっていくようにしていきたいと思っているところであります。 もう一つの太陽光・小水力・バイオマスを活用した「分散型再生可能エネルギー発電」の普及を推進しますという点についてご説明いたします。 松本市は、地域の特性として長い日照時間、豊かな森林資源、水資源、これら豊富な資源を私としましては再生可能エネルギーとして活用していくこと、そして低炭素で持続可能なまちづくりを進めていくことが不可欠であると考えています。現在、特に森林資源の一つであります木質バイオマスの活用につきましては、松本市が竜島温泉へ導入したチップボイラーによる熱利用の取組が始まっているほか、塩尻市における信州F・POWERプロジェクトがこの秋にも発電を開始するとお聞きしております。 私としましては、今後、ICT技術さらには蓄電技術が飛躍的に発展するという状況を見据えますと、関係機関や専門家を交えて検討を重ねながら、この「分散型再生可能エネルギー発電」というものを松本市の中でも可能性を持つものとして普及を進めていく研究を進めてまいりたいと思います。そして将来的には、松本市において地産地消のエネルギー供給体制が構築できるよう、そうした研究も進めてまいりたいと考えております。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 神津議員。 ◆8番(神津ゆかり) 〔登壇〕 ありがとうございました。 地産地消のエネルギーは、エネルギーを外から買って消費してという社会から一歩先行く、大変可能性のある施策だと思いますので、ぜひやっていただきたいと思います。 次に、将来の森林像と今後の進め方について伺います。 松枯れは、110年ほど前から西日本の海岸線から広がって、今は内陸の標高の高い、ここ長野県松本まで広がってきました。長い年月の間で、日本各地で起きてきた自然の営みと言えます。市長がお示しされた松枯れ対策新方針の次のステップ、ポストコロナ時代の森林の姿を想像すると、私には希望が見えます。松枯れ最前線の松本から始まる森林再生物語が見えます。昨日、中島議員の質問で市長は、四賀のポテンシャルについて述べられました。里山再生の四賀モデル、クラインガルテンのあるゆうきの里エコビレッジ四賀、大賛成です。四賀の山は、松本にとっても大切な財産、やれることは全てやって里山を再生させる。どれだけすばらしいことでしょう。 昨日の議論では、2つの民意というような話も出ていました。確かに地元の人、移住してきた人、若い人、そうでない人など、多様な住民の間でぎくしゃくすることもあるでしょう。何か物が言えない雰囲気があったり、どうせ何を言っても届かない、小さな声は無視されるというようでは、よい方向には回っていきません。移住定住促進をする上でも、大切なことです。住んでください、意見は言うなでは、誰も住みつきません。議論するときは自由に物が言え、どんな意見も否定されない、お互いに聞いてもらえる場、多様性を認め合い、みんな違ってみんないいといった、安心の話合いができれば、いつかは納得の方向性が見えてくるのだと思います。お互いに他者を受け入れる優しさ、多様性を認め合う度量の深さが大切ではないでしょうか。 森林は、緑の社会資本と言われています。この緑の社会資本をどう保全して再生させていくのか、森林を減らさないで強みにしていくのか、松本にとってどんないいことがあるのでしょうか。地球温暖化で世界中が変わってきています。クーラー要らずのさわやかな夏、ぶるぶる震えるしみる冬は、松本の昔話になりそうな勢いです。地球温暖化対策、生物多様性、SDGs、地域循環型エネルギー、産業や雇用の創出においても、森林の果たす役割や可能性は大きい。木材や木質バイオマスの利活用、やまほいく、森林セラピー、アウトドア、マウンテンバイクのダウンヒルコース、ワーケーションなど、森を舞台にできるチャレンジはたくさんあります。森林政策が活発になれば、林業を選ぶ若者も増えるでしょう。 松本市総合計画では、6つの分野全てに森林が関わっています。新総合計画基本構想2030及び第11次基本計画では、森林政策の重要性を強調し、反映するものを要望いたします。今後、諮問会議を設置して、松本の森林の保全活用に向けた中長期的な取組を検討するとおっしゃっていますが、松本のふるさとの森林をどんな形で次世代に残すのか、身近な里山、森林の可能性について、どうイメージしているのかを最後に伺います。 また、松本市里山再生100年プロジェクトや市民参画里山再生プロジェクトなどを設置するのはどうでしょうか、市長のお考えを伺いまして、私の全ての質問を終わりにいたします。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) 昨日も中島議員の質問にお答えしましたけれども、松本のこの未来の森林の姿というものは、私は、今、松枯れで非常に厳しい状況に置かれている四賀の森林の再生のプロセスと重なっていくのではないかというふうに感じております。今、四賀では、従来からこの地元に住んでこられた方と、そして松本以外あるいは信州以外から森林の暮らし、あるいは森林の自然に新たな暮らし方を求めて集まってきた方々が併存されています。そして、今回の松枯れ問題を通じて、共に力を合わせてこのふるさとの森林を再生していこうという機運が芽生え始めたのではないかと、私はこの間、四賀に足を運ばせていただいて感じました。それは、将来的には市民が日常的に森林に親しみ、週末にはこの松本の市街地からもそうした環境を求めて憩いのひとときを過ごすといった新しい暮らしの在り方でありましょうし、また、大都会から人々が長い休みやレジャーを求めてやってくる、そしてまた、そうしたことを通じて暮らしの拠点もいずれ移して来るということが、私たちが目指す理想の森林の姿、森林を舞台に暮らす姿ではないでしょうか。 今後、そうした森林の再生や新たなライフスタイルのことにつきまして、まずはこの松枯れ対策、そして森林再生策を専門家の方々に議論検討をしていただくわけでありますけれども、恐らくその過程の中でより広く市民の皆さんに、この森林の構造や可能性といったものを感じていただける場を設けることになると思いますし、また、そうしたことが、議員がおっしゃっている、この特別委員会やプロジェクトといったものにまた結びついていくのではないかと考えております。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 以上で神津ゆかり議員の質問は終結いたします。神津議員は自席へお戻りください。 席替えのため、暫時休憩いたします。                              午後2時32分休憩                             ----------                              午後2時35分再開 ○議長(村上幸雄) 休憩前に引き続き会議を開きます。     ------------------------------ △日程第2 議案に対する質疑(議案第1号から第18号まで) ○議長(村上幸雄) 日程第2 議案第1号から第18号までの以上18件に対する質疑を行います。 議案質疑一覧表記載の順序により発言を許します。 最初に、3番 上條一正議員。 ◆3番(上條一正) 〔登壇〕 議案第11号 令和2年度松本市一般会計補正予算(第3号)について質疑をいたします。 議案第11号は、市長選に伴い骨格予算となっていた令和2年度当初予算に、市長公約を入れた肉づけ予算として編成したと議案説明がありました。補正額は23億9,987万円の追加で、補正後の予算規模は1,211億417万円でした。その後、昨日、追加提案として議案第18号 令和2年度松本市一般会計補正予算(第4号)が計上されたことから、さらに12億1,264万円の追加、補正後の予算規模1,223億1,681万円の過去最高額となっています。これは、新型コロナウイルス感染症関連の経費に伴うもので、迅速な対応がされていることを評価したいと思います。骨格予算に肉づけされている内容としましては、今議案が市政運営上重要な予算となるものでございます。そこで、市長公約として計上された29事業のうち、土木費関係について質疑をいたします。 1点目、総合交通戦略推進事業費更正減中、市内渋滞箇所調査分析委託料202万円に関しましては、本議会冒頭に市長からも特に説明がありました。都市計画策定事業費追加中、都市計画道路変更原案作成委託料の470万円と併せて行うとのことですが、470万円のうち、市内渋滞箇所分析に係る経費と、都市計画道路変更原案作成に係る経費の内訳及び渋滞対策に係る経費の総額を示していただきたいと思います。 なお、都市計画道路見直しに関しましては、昨年度予算に425万円を計上し執行したと思いますが、2か年にわたる調査内容の違いを併せてお伺いいたします。 その上で、市内全域の渋滞調査と都市計画道路変更に伴う調査内容に違いがあるのか、同じなのか、事業が異なる調査の目的が同じとすれば事業目的は同じと考えられますが、渋滞対策事業費と都市計画道路変更の関係はどうなっているのかお伺いをいたします。 次に、都市中心拠点整備事業費追加178万円は、大名町通り再整備に向けた、専門家を交えた検討を行うための経費として計上されています。報償費で行う専門家を含む検討形態、構成内容をお伺いいたします。 私も、大名町の皆様が独自に専門家を呼んで学ばれている場に参加するとともに、大名町関係の皆様自らが整備に向けた方針をつくり上げてきていることは承知していますが、再整備に向けた検討内容はどういうものなのかもお伺いいたします。 以上、1回目の質疑といたします。 ○議長(村上幸雄) 上條建設部長。 ◎建設部長(上條裕久) 〔登壇〕 初めに、市内渋滞箇所調査分析委託料と都市計画道路変更原案作成委託料についてお答えをいたします。 都市計画道路変更原案作成委託料470万円のうち、中心市街地の渋滞箇所分析に関わる費用は約110万円、都市計画道路変更に関わる費用は約360万円です。中心市街地の渋滞箇所分析に関わる費用約110万円に市内渋滞箇所調査分析委託料202万円を加えた約312万円が渋滞対策に要する経費の総額です。 次に、昨年度の都市計画道路見直しに関わる業務委託料では、令和3年度に都市計画変更を目指しています惣社や里山辺地区周辺の見直しに関わる協議資料作成や、中心市街地における渋滞箇所の抽出などを行いました。本年度の業務委託では、昨年度抽出した中心市街地の渋滞箇所につきまして、渋滞発生要因を分析し対策案を検討するとともに、中心市街地の都市計画道路の見直し案を検討いたします。 次に、2つの調査の目的と事業の関係でございます。 2つの事業は、中心市街地だけでなく、松本市全体の渋滞箇所とその発生要因を把握することを目的として、併せて実施するものです。渋滞箇所等の把握は、都市計画道路変更原案の作成に当たっても重要な調査と考えており、今後の都市計画道路の見直しに当たっての検討資料ともなります。 次に、都市中心拠点整備事業費追加についてお答えをいたします。 報償費は、都市デザインや街路空間の使い方の分野の専門家3名が、専門的な立場から地元への指導、資料や情報の提供、打合せ後の結果整理を行うことへの対価及び旅費を含むものであります。検討内容としましては、街路の使い方やその効果等を確認する社会実験、持続的に街路を使うための方法などを想定しています。これらを検討することにより、大名町通り再整備準備会など、地元のまちづくりに関する機運向上を図るとともに、再整備に向けたイメージの具現化を進めます。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 上條一正議員。 ◆3番(上條一正) 〔登壇〕 それでは、1回目を踏まえまして2回目の質疑をさせていただきます。 議会冒頭で市長は内環状線の見直しに言及され、道路ネットワークは渋滞緩和や歩行者の通行のみならず、松本城を中心としたまちづくりの土台につながる。実現性の高い案をスピード感を持って再検討すると発言されました。交通を円滑にし、渋滞による様々な弊害を取り除くための渋滞対策は必須であります。本予算における調査委託料は、現状の課題をスピード感を持って解決する、対処療法だけに終わらせない、長期視点を持った計画としての内環状線見直しの検討材料として、道路ネットワークの構築に必要な都市計画道路の変更案として示されるのかをお伺いをいたします。 また、渋滞対策事業調査による効果のアウトプットである施策と、その到達点、政策実現目標時期などをどこに置いているのかも併せてお伺いをしたいと思います。 次に、大名町通りは、松本城への玄関口であり、訪れる皆様の歩行軸及び公共交通を含む交通の主軸になっています。北詰の交差点までは、西から都市計画道路内環状北線の工事が始まり、松本城南・西外堀復元の期待が高まる松本城周辺での主要軸となる通りであります。このように、この通りの再整備は周辺の住民、事業者の皆さんのみならず、市民共通の整備課題となることは言うまでもありません。 そこで、市長が名言された内環状東線見直し、大名町通り北詰交差点から東の内環状北線先を含めた交通体系の見直し等との関係を含め、この大名町通りの再整備の検討の予算の先の到達点をどこに置いているのかをお伺いいたします。 以上、2回目の質疑をいたします。 ○議長(村上幸雄) 上條建設部長。 ◎建設部長(上條裕久) 〔登壇〕 初めに、都市計画道路の新たに位置づけた変更案が示されるのかに対してのお答えでございます。 本補正予算に計上した委託料を基に業務委託により、できるだけ既設の道路を活用し、歩行者、自転車、公共交通を優先しながら、通過する交通量をどのように分担できるかを技術的に検討をいたします。その中で必要であれば新たな都市計画道路の検討を行い、見直し案を取りまとめてまいります。 次に、実施予定の時期ということでございます。 市内渋滞箇所分析調査による調査分析結果に基づく対策につきましては、対策案の優先順位をつけ令和3年度から順次事業化してまいります。 次に、本予算の検討の先の到達点というところのご質問でございます。 大名町通りは、観光バスを駐車する松本城大手門駐車場平面駐車場から松本市基幹博物館を経て松本城を結ぶ主要な路線であり、住む人にとっても訪れる人にとっても重要な街路です。そのため、大名町通りの役割や使い方を明確にし、その実現に向け、ふさわしい交通体系を見直すことと併せ検討することで、松本城につながるシンボルロードにふさわしい街路空間を目指すものです。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 上條一正議員。 ◆3番(上條一正) 〔登壇〕 質疑いたしました2件の事業費は、共に関連するまちづくりに関わる重要な事業であります。ここで、市長公約の交通・まちづくりと松本城周辺の歴史観光エリアの方向性との関係はどうなっているんですかとお聞きすれば一般質問になってしまいますが、それほど重要な事業と捉えております。大名町通りに関しましては、2月定例会で質問いたしました三の丸、大名町・土井尻界隈のまちづくりの方向性と大きく関係し、令和元年度予算で執行した三の丸地区拠点整備計画策定の内容はまだ報告されていませんが、当然これらとの整合を図りながら進めていく必要があります。通り周辺や地元町会の皆さんは、これまで自らが専門家をお呼びして勉強会を続けられるなど熱意と情熱をお持ちで、私も十分にその意を酌んでおります。 しかし、臥雲市長誕生後、松本城周辺の新たな構想を示されたことや、進行中の基幹博物館、内環状北線整備、市役所新庁舎の行方など、全体像が見えることが優先であるとの思いも皆さんがお持ちであると伺っています。そうした中では、行政としての確たる方向性を示さない中での予算化と議論は、効果が半減してしまうおそれがあります。スピード感を持って行う市長の方針の下、大きなまちづくりの方向性に即した事業となるための予算になることを期待し、質疑を終わらせていただきます。 ○議長(村上幸雄) 以上で上條一正議員の質疑は終結いたします。 次に、32番 池田国昭議員。 ◆32番(池田国昭) 〔登壇〕 それでは、通告に従って令和2年度松本市一般会計補正予算(第4号)、商工費中、中小企業振興費追加、負担金、松本市消費応援キャンペーン実行委員会「松本プレミアム商品券」についてお聞きしたいと思います。 過去において経験したことのないコロナ禍の下で、リーマンショックを上回る経済の危機、消費の落ち込みの中、まさにコロナ禍は平等だけれども補償は不公平と、こんな中で年末を待たずして既に非正規労働者が減っていると。正規化が進んでいるのであればいいんですが、そうではなくて、異常な首切りが進行している。仕事と住まいを失い、日々の暮らしが成り立たない大変な事態が今広がっております。一方で、大企業は、引き続き利潤を上げ、内部留保を増やしているという異常な事態に加えて、ご存じのとおりの持続化給付金をめぐって、これに便乗して政治の力と癒着の下で、まさに利潤を、もうけを貪るような異様な状況が日々展開しております。 そうした時期に今回のプレミアム商品券の事業が、この松本市でまた登場しようとしています。経済的強者、要はお金持ちの方々と言っていいと思いますが、そういう方々が有利になる一方で、生活弱者がますます困窮し、行政の施策から除外され、不公平の中で暮らさざるを得ない事態を加速、悪化させるような事業があってはなりません。そうした観点から、以下、松本プレミアム商品券に対する質疑を行いたいと思います。 一般質問の初日に、この松本市では、市民が全く知らないところで既に既定の事実であるがごとくにレールが引かれ進められていたことに対することについては、臥雲市長から遺憾及び謝罪の弁があったことですが、改めて以下お聞きし、今回の補正予算の疑義、問題点についてただしていきたいと思います。 これがご存じの、あたかも既成事実化で計画そのものまで明らかになっているようなチラシです。コロナ禍の下で市民の暮らしを守る施策のスピード感が求められるのはもちろんですが、果たして全ての市民益になるものか、消費の振興、経済の向上に役立ち、そして誰もが平等にその施策の恩恵を享受できるのか。そして、改めてみんなで力を合わせて、この日本においてはスペイン風邪以来100年ぶりと言われるこの事態を、全ての市民が共に力を合わせて乗り越える上で有用な施策であるのか。以下、議案を吟味する上でも質問をしたいと思います。 既に安曇野市、塩尻市では、このプレミアム商品券が制度設計も行われ進められつつあるとの報道がある中、では、松本市はどうするのか、大きな関心が集まる中、そのさなか、言わば先ほどご紹介したような勇み足的な松本商工会議所サイドの勝手な行動で、この事態が露見をしました。実に重大なことだと思うんです。もちろん、より根源的、根本的には松本市の責任も免れないことは、先ほどご紹介した臥雲市長の発言にも関連して述べたとおりです。 そこで、以下、第1回目、幾つかの点についてお聞きしたいと思います。 まず、最初に、今回のプレミアム商品券発行に関わる予算は幾らなのか。財源も含め、その内訳を知りたいと思います。どのように使われるのか。プレミアム分及び松本市消費応援キャンペーン実行委員会事務分経費として分けてご答弁願います。 2つ目は、全部で6項目お伺いします。今回のプレミアム商品券の概要についてお伺いしたいと思います。 その1、まず、プレミアム率は何%なのか。 その2、セット単価は幾らで、全体の発行セット数は幾つになるのか。 その3、1人当たりの購入限度額、セット数は幾つになるのか。 その4、どういった店舗が加盟店として取り扱えるのか。 その5、大型店舗は使えるものなのか。 最後に、2番の最後に、取扱店舗の業種指定はあるのかどうか。例えば住宅リフォームを行う市内の建設小事業者とか、タクシー利用にも使えるのかどうかなど、具体的にお聞きしたいと思います。 次に、3番目、今回の事業の実施に当たり、制度設計にどのくらいの時間を要しているのかお聞きしたいと思います。要は、いつから検討を始め、実行委員会は既に発足しているのか、それともいつ頃になるのかお聞きします。 4、今度の財源となっている長野県の地域支えあいプラスワン消費促進事業の活用としての事業だという提案ですが、この長野県のこの事業の説明書によれば、その補助対象経費としてプレミアム付き商品券の販売、商品券の配布等に要する経費というふうに記載されていますが、商品券の無償配布も補助対象となるのかどうかお聞きしたいと思います。 5番目、プレミアム商品券の実施は今回で5回目となると思いますが、これまでのこのプレミアム商品券に関わる取組をどのように評価し、問題点、課題、反省点をどう教訓として捉え、それを今回の事業にどのように生かしていくつもりなのかということをお聞きします。 1回目の最後に、今回実施することによってどのぐらいの経済効果が見込まれるのかと、このことをお聞きして、以上1回目の質問といたします。 ○議長(村上幸雄) 小原商工観光部長。 ◎商工観光部長(小原直樹) 〔登壇〕 プレミアム商品券に関する幾つかのご質問に順を追ってお答えします。 まず、予算についてですが、歳出総予算額6億6,300万円のうち、プレミアム分として5億1,000万円、商品券印刷費、広告宣伝費、換金手数料などの関係経費として1億5,300万円を計上しています。歳出額の2分の1となります3億3,150万円の財源は、県の地域支えあいプラスワン消費促進事業の補助金を予定しています。 次に、今回のプレミアム商品券の概要についてお答えいたします。プレミアム率は30%で、現在のところ1セット1万3,000円を1万円で、これを17万セット販売する予定です。なお、1人当たりの購入限度額やセット数につきましては、今後、実行委員会で検討いたします。また、取扱店舗につきましては、規模、業種を問わず、市内に広く募集をかけます。 続いて、制度設計に要した時間についてですが、5月末に長野県から市町村を対象に消費促進事業の制度設計に係る事前調査がありましたことから、内々に調査を始め、6月1日から松本商工会議所と実施に向けた検討を始めました。今後につきましては、本議会で補正予算をご承認いただいた後、直ちに実行委員会を立ち上げ、事業の詳細を詰めていきます。 続いて、県の補助対象経費についてですが、商品券等の無料配布も対象となっています。 次に、これまでのプレミアム商品券事業の評価等につきましては、市内消費の活性化に寄与したものと考えられる一方、窓口販売としたことから、購入のための長蛇の列ができるなど、高齢者や障害のある方は購入しにくかったり、また購入を希望する方に比べ販売数が少なかったことから、商品券が思うように行き渡らなかったなど、課題が残りました。これらを教訓に、今回はより多くの皆様が購入できますように、販売方法や限度額、そしてセット数について検討します。 最後に、経済効果に関するご質問にお答えをいたします。 昨年度実施しましたプレミアム商品券事業は、購入できる対象が限定されていたため完売とはなりませんでしたが、それ以前の過去3回につきましては、商品券はほぼ完売となっております。今回の総発行額22億1,000万円が、今回は市内市場に流れることが想定をされ、さらには商品券がきっかけとなった新たな消費効果にも期待をしているところです。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 池田議員。 ◆32番(池田国昭) 〔登壇〕 予算をはじめ、設計図とも言えるような中身で、幾つか答弁がございました。 そこで、2回目にお聞きしたいんですが、その前にいわゆる経済効果というのは、投資したお金に対してどれだけの成果が生まれるかという点からいうと、何倍とか、普通そういうふうに表現をされるものかと思っていたんですが、残念ながら、この出された数字を計算で割り返す、ないしは掛けるということになるのかもしれませんが、数字的には発表がなかったんで、もし2回目で答弁をしていただければなというふうに思います。 いつからこの検討が始まったのかということについて、今、答弁がございました。まだ実行委員会ができていないと言われながら、実行委員会名が先ほど紹介したチラシには出て、でも、恐らく今度の事業予算の名称からいっても、発表された実行委員会名とは違う実行委員会になるのかなと思われるんですけれども、しかし、もう既にチラシは出ていると。 実は、実に重大なことが出たということは、この間、初日に出ましたけれども、既にこの市内に出回って、しかも既成事実化しているこのチラシは、もうまさに今独り歩きをしております。改めて今回のこの展開については、もちろんコロナ禍での経済策としてはスピード感が必要なことはそのとおりですけれども、それにしても今回のこの展開に関しては驚きを禁じ得ません。制度設計で肝腎なことはまだ決まっていないということでしたけれども、そのことの確認をした上で、以下、2回目の質疑を続けたいと思います。 まず、順番が前後しますけれども、商品券、プレミアム商品券販売ではなくても、商品券の配布はこの県の事業として認められると、認められているという重要な答弁がございました。改めて後ほどの質疑にも関わるので、確認をして押さえておきたいと思います。今回のプレミアム商品券の発行セット数、過去4回のうちの最初の1、2、3回目、まず平成21年が3万セットでした。22年が5万セット、そして27年が12万5,000セット、そして先ほど発表があったとおり、今回17万セットということですので、これはチラシにもそういうふうに書かれておりますけれども、そういう点からいえば、今までにない最大の規模ということになります。 私が5番目に聞いた中で、さてこの間、昨年の4回目分も含めて、今回5回目になるわけですけれども、そのうちの最初の3回についてどうだったかと、経済、消費の向上に寄与したけれども、列ができるなどして高齢者の方とか障害者の方には買えなかったということで、より多くの方に行き渡るようにということだけの答弁でしたが、私も改めてこのプレミアム商品券というのはどうだったのかということを、以下、後ほどの質疑と大きく関わるので、少し長くなるかもしれませんが、ご紹介をしたいと思います。松本商工会議所を中心に発足して実行した最初の3回の実行委員会がまとめた報告書をご紹介をしたいと思います。 平成21年のとき、10セットが限度だったのに、何度も並んで、何セットも手にした方がいたと、利用が偏ったということが書かれておりました。それから、家電製品や洋服など、この報告書の中には、高額品・ぜいたく品という表現が出ておりますが、第1回目のときは、約70%がこういう形でこの商品券が使われたんだそうです。自動車とか旅行にも使われたと。加盟店舗の方の感想では、お客さんにはメリットがあったが、店の売上げにはつながらなかったと。この方は、次回は協力はできませんというふうに書かれています。 ○議長(村上幸雄) 池田議員に申し上げます。 発言は簡明に要約してお願いいたします。 ◆32番(池田国昭) 分かりました。 消費が増えたとは思わないと、これが21年のときの声です。22年、少しはしょります。先ほど70%というふうにぜいたく品と言われる部分でしたけれども、22年は60%になったようですが、1家族で100万円手にして使った例も現れたというふうに報告書にちゃんと書かれております。思うように効果が出ていないんじゃないかという声もあり、お金に余裕がないと購入ができずに、恩恵が受けられない。4割近くのお客さんが買えなかったというふうに、お店へ行ってお話をしたようです。27年、ぜいたく品について言えば32.5%だったと。地域経済の活性化の効果についてはどう思うかというアンケートが出ています。「大いに役立った」7%、「効果があった」45%、合わせて52%です。一方、「それほどなかった」というのが37%、「全くない」というパーセントが11%です。今後、3割の方はもう実施しなくてもいいという意見まで出て、個店が割を食い、大型店に集中したと、こういう調査結果が出ています。 私がなぜこれをご紹介をしたかというと、こういう問題点が報告書でも出され、言わば不公平な実態や、それからそもそも手持ちにお金がなければ商品券が買えないという実態についても報告されています。松本市がこの間、議会答弁で次のように述べています。このプレミアム商品券につきましては、アンケート等を取りますと、大変効果があった、新しいお客さんが増えたということで続けてほしいというお店からの要望があったんですが、実際に使われた内容を見ると、日用品であったり、そして通常、本来プレミアム商品券がなくても買おうと思っていた物を2割引きというか2割減で買えたと、プレミアム商品券の後、定期的に同じことをすると買い控え等々ができてしまう。終わった後に、消費が落ち込むということも想定されるということで、当時の決算特別委員会の発言の結論は、今後こういう形の商業振興、消費振興、刺激というものについては、慎重に検討すべきというふうに私どもは思いますというふうに公式に見解が出されています。 そこでお聞きしたいのは、まだ制度設計が本格的にこれからということですが、答弁があった点、そして私が指摘した点、今度のこの制度設計の中にどのように生かしていくのかという立場から2回目の質問をしたいと思います。 今指摘したような問題点の解決が図られるものであるのかどうかということです。安曇野市の宮澤市長さんが特別定額給付金の10万円を使って、ぜひプレミアム商品券を買ってほしいという記事が新聞に出ておりましたけれども、松本市で既に9割の方がこの特別定額給付金を手元にされたということですけれども…… ○議長(村上幸雄) 池田議員、すみません、発言は簡明によろしくお願いします。 ◆32番(池田国昭) いわゆる既に店舗家賃などの固定費や、収入が本当になくなり毎日の暮らしぶりすら大変な市民の方は、お借りした生活費の返済に既に充てて、ないしはもう手元にお金がないという方が少なくありません。プレミアム商品券は、手元に現金がなければ恩恵を受けられないものです。今までの過去のプレミアム商品券のとき以上に、平等にこのプレミアムの特典を享受できない事態が予想されるわけですが、コロナ禍の今だからこそ誰もが豊かになれる、誰も置き去りにしないができるかどうかの試金石の事業だと私は思います。 そういう点でいえば、私は、事業についての根本的な、言わば発想の転換が不可欠だなというふうに思って、以下を申し述べます。 プレミアム分だけを商品化して、全世帯に配布する。こういう抜本的な制度変更を行うことが、今回のこれからの制度設計の検討の中に入れられないものでしょうか。既にもう固まってしまっているものでしょうかということです。私が提案している、この配るということの実現性と、その有効性について以下簡単に述べます。 1つは、県の事業の対象にはなると、2つ目、10万円への追加という見方もありますが、決してそうではなくて、10万円は県外で使われたり、ネット販売とかに回っちゃいますが、言わば地域貨幣的な商品券は、松本市内での消費に必ずつながっていきます。そして、手元にお金がなくても、誰もが、しかも地域の地元の近くの商店から買物を行える利点もございます。登録店舗でなかった場合でも、それをほかの中に回していけば十分に目標を達成することができる。 ○議長(村上幸雄) 池田議員に申し上げます。 質問ですけれども、議案と関係ない部分にも若干及んでいる部分がありますので注意をいたします。 ◆32番(池田国昭) それで、2回目の質問の最後です。 誰もがこの制度を平等にできるかどうかということが重要な中身ですけれども、そういう意味では、今、99%の市民のための政策が求められていると思います。17万セットということと人口24万ですから、先ほどの費用の内容からいっても決して難しいことではないと思います。30%の3,000円は、暮らしを支えるに十分に役立ちます。こうした制度にしていくことを含めての設計が必要と考えますが、こうした配布方式は今度の制度設計の中に入る余地はないのでしょうか、お聞きして、2回目の質問といたします。 ○議長(村上幸雄) 小原商工観光部長。 ◎商工観光部長(小原直樹) 〔登壇〕 まず、先ほど私がお答えをした経済効果についてのご質問でございますが、先ほどお答えしたとおりでございまして、総予算額は6億6,300万円、これで実際に発行となるのが22億1,000万円ということでございます。これ以上の、これが一体どういうふうにさらに効果を広げていくのかということについては、ちょっと明確には申し上げられませんが、先ほど申し上げましたように、それをきっかけとした新たな消費効果というのも期待をしているということでございます。 それから、前回までの商品券の発行事業でなかなか効果が表れなかったというようなご指摘の面でございますが、今回、私どもが聞いている範囲では、松本商工会議所にも多くの事業者の方から、ぜひ商品券の発行事業をやってほしいと、そういった声が届いているという背景もございました。少しそのことについてはご紹介をしたいというふうに思います。 それでは、ご質問の関係でございますが、まず、購入に係る不公平感があるのではないかということでございます。市内の消費喚起、これを大きな目的として今回行いますこのプレミアム商品券、全ての方に一律給付をする、定額給付金とは異なって全員が購入することは難しい事業であるということは認識をしております。 そこで、1人でも多くの市民の皆様にご購入をいただけるようにということで、先ほどお答えしましたとおり、1人当たりの購入限度額ですとかセット数、それから販売方法についても検討していきたいというふうに考えています。 続いて、商品券の無料配布に関する見解ということでございますが、例えば市民全員にプレミアム額の5億1,000万円、これを商品券として配布をしたというふうに想定をいたしますと、1人当たりの配布額というのは約2,000円になります。これらを金券として全世帯に郵送するなどの費用対効果を考えますと、プレミアム商品券として販売したほうが、より経済の活性化が期待できるものと考えているものです。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 池田議員。 ◆32番(池田国昭) 〔登壇〕 それでは、最後は簡潔に1回目と2回目の中身を踏まえて、先ほどで言えば、今、約4倍と。松本市の経済対策の事業の中で、住宅リフォーム助成制度というのがございましたが、これは何と17倍の経済効果が出たという発表がされております。そういう点からいっても、私は、さっき全員に配るというふうに言いましたけれども、平等性それから誰もが使えるという点からいって提案をしたものです。結論的にはそういうふうにはしない方向でしかないなという感じがするんですけれども、最後に、ぜひこの事業は、今、松本市が今年度にやらなくちゃいけない木造住宅の耐震化率90%というのがございます。こういう事業などと一体に積極的に進めていく、タイアップして進めていくような計画、また住宅リフォーム助成制度の復活などと併せて、こういうことを進めていくつもりがないかどうかだけ最後にお聞きして、質問の全てを終わりたいと思います。 ○議長(村上幸雄) 小原商工観光部長。 ◎商工観光部長(小原直樹) 〔登壇〕 お答えいたします。 新型コロナウイルスにより多種多様な業種が大きな影響を受けているという状況でございます。今回のプレミアム商品券事業は、消費喚起による事業者支援、これも一つの目的となっております。そのことから、特定の用途に使用制限するものではなく、また取扱店舗の業種についても特に限定はしていません。したがいまして、耐震改修を行う住宅リフォーム業などにつきましても、お申込みをいただければ商品券の使用は可能となります。市民の皆様には、商品券を様々な店舗で、そして様々な目的のためにお使いいただきたいと考えています。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 以上で池田国昭議員の質疑を終結し、議案に対する質疑は終結いたします。 次に、議案の委員会付託を行います。 議案第1号から第18号まで及び請願第2号から第4号の2までの以上22件につきましては、一層慎重審議を期するため、お手元にご配付いたしてあります委員会付託案件表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。 これをもって本日の日程は終了いたしました。 本会議は明18日から24日まで委員会審査等のため休会し、25日午後1時30分に再開いたします。 委員会審査につきましては、お手元にご配付いたしてあります通知のとおり開催し、審査願うことになっておりますので、ご承知願います。 本日の会議はこれをもって散会いたします。 お疲れさまでございました。                              午後3時25分散会...